ぶっせん

漫画『ぶっせん』について

『ぶっせん』は、三宅乱丈が手掛けた漫画作品で、1999年から2001年にかけて講談社の『モーニング』で連載されていました。この作品が三宅のデビュー作であり、彼の独特な世界観を初めて多くの読者に届けたことからも、その意義は大きいと言えます。連載を経て、全6巻の単行本が出版され、その後、太田出版から全3巻の形で再刊されています。また、2013年にはTBSテレビでテレビドラマ化され、さらに同年11月には舞台化もされました。

あらすじ

物語の舞台は「講談山」という場所にある二つの寺に焦点が当てられています。ひとつは、金持ちで檀家が多く、地域に根ざした「金々腹寺」。もうひとつは、貧困にあえぐ「仏物専寺」です。この仏物専寺は、檀家が全くおらず存続が危ぶまれていました。

和尚（師匠）は入院中で、唯一の弟子である雲信が寺の危機を助けるために計画を立てます。彼は「仏教専門学園」、略して「仏専」を設立し、生徒からの入学金を集めることを思いつきます。しかし、寺を潰したいと考えている金々腹寺は、この計画を妨害しようと動き出します。雲信の意図や計画はうまくいくのか、また彼がどのようにして困難に立ち向かうのかが物語の見どころとなっています。

登場人物

• - 田村正助: 主人公で、金々腹寺に潜入したスパイです。非常に素直で、他者のプライバシーを気にせずに話してしまうため、トラブルメーカーの一面があります。主にお茶係を担当し、労働を言いつけられることに喜びを感じる純粋な性格の少年です。

• - 徳永厚治: 子供の頃から知識が豊富で、情報を集める能力に長けている生徒です。彼は貧乏な寺に嫌気がさしつつも、切れ者として周囲から一目置かれています。

• - 北川英敏: 実家が料亭で、料理が得意な少年です。家庭の問題を抱えつつ、ダイエット目的でぶっせんに入学します。

• - 森本レオナルド: イタリア出身で、言葉は少なく絵を描くのが得意です。彼の独特なキャラクターも作品の楽しみの一部です。

• - 城敦や三条翼: パンクを愛する少年や宝塚男役に憧れる少女（実は女性）など、個性豊かなキャラクターが物語を彩ります。

• - 羽田野キク: ぶっせんの新生徒であり、生徒たちに愛される存在です。彼女の入学をきっかけに、物語はさらに賑やかになります。

テレビドラマと舞台

『ぶっせん』は、2013年にテレビドラマ化され、TBS系列で全10話が放送されました。主演は吉沢亮が務め、彼の演技が注目される結果となりました。また、ドラマの終了後には続編エピソードが舞台として上演され、原作ファンや新しい観客を魅了しました。

『ぶっせん』の漫画は、独特のキャラクターやユーモア溢れるストーリー展開で、多くの読者に愛され続けています。物語には友情や成長、自己探求のエッセンスが詰まっており、現代の若者にも共感を呼ぶ内容となっています。その魅力は、媒体を超えて広がり、多くの人々に楽しさと感動を与えています。

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