べと病

べと病について

べと病は、ツユカビ科に属する卵菌によって引き起こされる植物病害の総称であり、一般には「露菌病」とも呼ばれています。この病害は、冷涼で湿度の高い環境下で多く発生し、主に葉の裏に霜のような白色や灰色の湿ったカビを形成します。これにより、見た目にも影響が及び、作物の健康を脅かす原因となります。

概要

べと病は、うどんこ病と並んで糸状菌病に分類されています。「Mildew」という用語は一般的にはカビを指し、べと病もその一種です。初期には葉に小さな黄色の斑点が現れ、進行するとそれが拡大し、角ばった病斑になります。気孔からは分生子が放出され、風や雨により拡散し、二次的な感染を引き起こします。加えて、植物の残骸中に存在する卵胞子も病害の原因となることがあります。

対策としては、耕作技術を用いた防除が挙げられます。具体的には、通風や採光を促進して湿度を軽減することや、密植を避けて植物同士の距離を確保することが大切です。また、被害を受けた残渣の除去や適切な施肥も重要な役割を果たします。さらに、抵抗性のある品種を利用したり、専用の薬剤を使用した防除も効果的です。

種類と主な病害

べと病の種類は多岐にわたり、直接発芽と間接発芽の2つの方法で繁殖します。以下に代表的な病害を説明します。

直接発芽による病害

• - ホウレンソウべと病：ホウレンソウに感染する病害で、主に3種のPeronospora菌によって引き起こされます。
• - タマネギべと病：タマネギにPeronospora destructorが感染し、重要な産地で被害が発生することがあります。
• - ネギべと病：ネギにPeronospora destructorが感染し、葉に病斑が見られ、進行するとしおれることがあります。
• - ダイコンべと病：ダイコンにPeronospora parasiticaが感染し、根に黒褐色の斑点が見受けられます。
• - キャベツべと病：キャベツにPeronospora parasiticaが感染し、葉に不定形の病斑が現れます。
• - ダイズべと病：ダイズが感染し、同様の症状を示します。
• - レタスべと病：レタスにBremia lactucaeが影響を及ぼします。

間接発芽による病害

• - キュウリべと病：キュウリにPseudoperonospora cubensisが感染し、葉に症状が出ます。
• - メロンべと病：メロンも同様に同じ原因菌によって影響を受け、斑点が広がり葉が枯れることがあります。
• - ブドウべと病：ブドウにPlasmopara viticolaが感染し、作物の品質に悪影響を及ぼします。

さらに、アワしらが病やイネ黄化萎縮病などの他の病害も存在し、これらもべと病の一種とされています。

まとめ

べと病は、特に湿度が高い環境で発生しやすく、農作物への影響が大きいため、農家にとって対策が不可欠な病害です。適切な管理と予防策を講じることで、作物を健康に保つ努力が求められます。

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