ぼくはゆうしゃだぞ

ぼくはゆうしゃだぞ

『ぼくはゆうしゃだぞ』は、1990年9月に発売されたさとうまきこ著作、原ゆたか絵の絵本作品です。テレビゲームの世界に入り込んでしまった少年が、勇者の苦労を体験し成長していく姿を描いた物語です。

あらすじ

主人公は、テレビゲームが大好きでゲームばかりしているひろくん。ある日、勇者を操作してモンスターを倒すゲームに夢中になって遊んでいました。ところが、ゲームの途中で突然勇者が動かなくなってしまいます。ひろくんが慌ててコントローラーのボタンを連打すると、テレビ画面から白い煙とともに勇者が現れ、ひろくんに向かって話し出しました。

「きみはいつもぼくをモンスターと戦わせてばかりだ。ぼくがどんなに大変な思いをしているか、ちっともわかっていないんだ。たまには自分で戦ってみたらどうだ。そうすれば、ぼくの気持ちがわかるはずだ。」

そう言うと、勇者はひろくんに触れ、二人の立場は入れ替わってしまいます。ひろくんはゲームの世界へと引き込まれ、自分がゲームの主人公としてモンスターと戦うことになってしまったのです。剣も魔法も使えないひろくんは、モンスターに怯えながらゲームの世界を冒険することになります。果たして、ひろくんは無事にゲームをクリアし、元の世界に戻ることができるのでしょうか。

この作品の魅力

この絵本の魅力は、子供たちが普段何気なく遊んでいるゲームの裏側にある勇者の苦労を、ひろくんが身をもって体験するという点です。ゲームの世界に入り、モンスターに追いかけられたり、危険な目に遭ったりするひろくんの姿を通して、読者は勇者の気持ちを理解し、ゲームに対する見方が変わるかもしれません。また、ひろくんが困難に立ち向かいながら成長していく姿は、読者に勇気を与えてくれます。

絵を担当した原ゆたかの描く、ユーモラスで躍動感あふれるイラストも、この作品の大きな魅力です。ひろくんや勇者、モンスターたちの表情豊かな描写は、物語をより一層引き立てています。

『ぼくはゆうしゃだぞ』は、ゲーム好きの子供はもちろん、大人も楽しめる絵本です。勇者の苦労を知り、感謝する気持ちを育むきっかけになるかもしれません。また、困難に立ち向かう勇気や、仲間との協力の大切さを教えてくれる作品でもあります。ぜひ、親子で一緒に読んで、ゲームについて話し合ってみてください。

この絵本を読むことで、子供たちはゲームの世界をより深く理解し、創造力を養うことができるでしょう。また、親は子供たちのゲームに対する興味を理解し、より良い遊び方を一緒に考えることができるでしょう。

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