ぼくらのの登場人物

ぼくらの 登場人物

鬼頭莫宏の漫画作品『ぼくらの』、およびそれを原作とするアニメ、小説に登場するキャラクターについて解説します。各メディアで設定が異なる場合は、特記します。

「ゲーム」の誘い手

ココペリ

声 - 東地宏樹

謎めいた存在として子供たちを「ゲーム」へと誘う人物。洞窟に住み、ジアースを操縦しながら子供たちに戦い方を教えます。飄々とした言動とは裏腹に、戦闘時は冷静沈着。頬に傷跡のようなものが見られます。

その正体は、過去にジアースを操縦していた契約者の一人。マチと共に「ぼくらの」世界へジアースを引き継ぎ、戦い方を教える役割を担っていました。本名は画楽（がらく）といい、マチからは「ガラ先生」と呼ばれています。「ココペリ」は役名のようなもので、引き継ぎパイロットの役割を示すようです。

アニメ版: 学校教師であり、生徒たちがパイロットとして戦う世界で、娘の優を救えなかった過去を持ちます。コエムシによって翻弄され、子供たちにジアースの操縦を教える役割を再び担うことになります。

コエムシ

声 - 石田彰

子供たちに戦闘やジアースに関する情報を提供するサポーター。ぬいぐるみのような外見とは裏腹に、残忍な性格で毒舌家です。物質の転送能力を持ち、子供たちを強制的にコックピットへ転送させます。

その正体は、ココペリ（画楽）やマチと同じ地球の人間であり、マチの実兄。自らの地球を救うため、「ぼくらの」世界で職務を忠実に遂行します。しかし、マチの死などを経て心境に変化が生じ、最終的には自らがジアースのパイロットとなり、次の地球へ引き継ぎを行います。

アニメ版: 元々は別の世界におけるゲームの参加者であり、生き残るためにコエムシの身体を与えられました。原作よりも残忍な性格として描かれ、物語終盤で非業の死を遂げます。

15人の子供たち

原作でパイロットに選ばれた順に紹介します。

ワク / 和久 隆（わく たかし）

声 - 阪口大助

明るく活発な少年。サッカー選手を夢見ていましたが、生きる意味に悩み、サッカーから距離を置いていました。最初のパイロットとして選ばれ、勝利を収めるも、不慮の事故で命を落とします。

アニメ版: サッカーから身を引いた理由が異なり、父親との関係性が強調されています。

小説版: 戦意喪失し、チズに身体を差し出されるも拒絶。中途半端な気持ちで戦闘に突入し、味方を撃墜してしまい、チズに殺されます。

コダマ / 小高 勝（こだか まさる）

声 - 保志総一朗

建設業社長の息子。冷静沈着で非道な面を持ち、命の選別を肯定する思考の持ち主。戦闘で父親を亡くし、考え方を揺さぶられますが、ゲームのルールによって命を落とします。

アニメ版: 父親の会社がデベロッパーに変更され、兄が1人になっています。

小説版: 偏った思想を改め、命の尊さを理解。自らが不利になることを承知の上で、敵からダイチと弟妹を守り、残った仲間たちに《人形》という人の手に余る存在を上手に使って「一人でも多くの人を助けられる」可能性を自らの戦いで示します

ダイチ / 矢村 大一（やむら だいいち）

声 - 杉田智和

家族思いの少年。3人の弟妹を養うためにアルバイトに精を出しています。戦闘で遊園地を破壊しないよう敵を誘導し、撃破に成功。その遺体は隠され、行方不明扱いとなります。

アニメ版: 叔父の仕事が新聞販売店に変更され、父親が失踪した設定が異なっています。

小説版: パイロットには選ばれていません。コダマ編で原作に準ずるストーリーが描かれ、最後は弟妹たちと消滅します。

ナカマ / 半井 摩子（なからい まこ）

声 - 井口裕香

正義感が強く真面目な委員長タイプ。売春婦である母親のために模範的な生徒であろうと努力しています。皆のユニフォームを作るために奔走し、クラスメイトとの和解を果たします。

アニメ版: 母親がスナックの従業員に転職し、田々良との関係性が変更されています。戦闘は初の敵地戦となり、人型同士の格闘戦となる。

カコ / 加古 功（かこ いさお）

声 - 藤田圭宣

自己中心的で、ゲームを軽く考えていましたが、ルールを知り恐怖に怯えます。チズをレイプしようとするも未遂に終わり、戦闘では逃げ惑い、チズに刺殺されます。

アニメ版: いじめの描写がなくなり、チズへの恋愛感情が強調されています。チズを襲うも抵抗され、階段から転落して死亡します。

チズ / 本田 千鶴（ほんだ ちづる）

声 - 高梁碧

正統派お嬢様タイプの女の子。教師の畑飼に心を惹かれ、性的関係を持ちますが、裏切られます。復讐を決意し、ジアースの力で関係者を殺害。しかし、姉の姿を見て復讐を断念し、胎内の子に悔恨の情を語りながら息を引き取ります。

モジ / 門司 邦彦（もじ くにひこ）

声 - 宮田幸季

整った外見と穏やかな性格で、勘が鋭い。幼馴染みのツバサに好意を寄せています。親友のナギを救うためにドナーとなることを決意。戦闘では的確なアドバイスを送り、勝利に貢献します。

マキ / 阿野 万記（あの まき）

声 - 比嘉久美子

オタク趣味を持つ男勝りな少女。ジアースの命名者であり、コモとは親友。新たに生まれる弟への思い入れが強く、カナを可愛がっています。敵が自分たちと同じ人間であることを知り、勝利を躊躇しますが、家族のために戦い抜きます。

キリエ / 切江 洋介（きりえ ようすけ）

声 - 浅沼晋太郎

小柄で太り気味な少年。口数が少なく内向的ですが、芯は強く、哲学的な思索を巡らせていきます。他の地球を滅ぼしてまで生き残ることに懐疑を抱きます。戦闘では普段着のまま敵の前に身を晒し、対話を図ろうとします。

コモ / 古茂田 孝美（こもだ たかみ）

声 - 能登麻美子

山の手のお嬢様風な容姿をした少女。父は国防軍の軍人。マキとは親友。自分の死を受け入れたことで、主体的に生きることの喜びを知ります。戦闘では敵パイロットの事情を知り苦悩し、父の手によって命を絶たれます。

アンコ / 往住 愛子（とこすみ あいこ）

声 - 牧野由依

薄い茶髪で巻き毛の少女。父は有名ニュースキャスター。将来の夢はアイドルになることで、独りアイドルごっこが趣味。アンコは敵の攻撃によって足に重傷を負わされながらも戦い、視聴者からの応援メッセージが殺到していることを聞きアイドルみたいと感じ、そこから着想を得てアイドルの練習で培った動きを応用して勝利を収めます。

カンジ / 吉川 寛治（よしかわ かんじ）

声 - 野島健児

15人の中で最も背が高い。ウシロの友人。両親はゼネコンに務める建築設計士。判断力と洞察力に優れており、戦闘中はパイロットのブレーンとして適切な助言を行います。田中のことを気に入っており関から写真を貰っていました。自身の戦いの前に今まで隠していた「カナからウシロのいじめを止めないように言われていたこと」「ウシロが養子であることをカナが知っていたこと」をウシロに伝えます。

カナ / 宇白 可奈（うしろ かな）

声 - 阿澄佳奈

小学4年生。唯一の小学生。ウシロの妹。口数の少ない、大人しい性格をしている美少女。ゲームの契約をウシロが止めたため、描写上は明確な未契約者である。しかし、戦闘では常にコックピットに呼ばれ、マキのベビーベッドに座らせてもらっています。

マチ / 町 洋子（まち ようこ）

声 - 三瓶由布子

そばかすがトレードマーク。自然学校でココペリの洞窟へ行く提案をする。契約時には嫌な予感がすると言い締結を渋る素振りを見せるが、ワクに無理矢理結ばされている。自然学校開催地が地元であり、両親は漁師。実はココペリと同じ地球の人間で、コエムシの妹。ココペリと共に引き継ぎ戦を行うためこの地球に来て、契約者を捜す役割を担いました。

ウシロ / 宇白 順（うしろ じゅん）

声 - 皆川純子

常に冷静・無表情で、口数も少ない。物事に対しての関心や反応が薄いが、頭の回転は早い。また、他人の痛みに鈍感で戦闘中の仲間にも平気で暴言を吐くなど傍若無人な言動も目立つ。実はゲームに興味を示さず契約の儀式の際にプレートに触ったふりをしただけだったため、実際は契約を交わしていない未契約者であり、彼が座っていたのはカナの椅子です。しかし、カンジ・実母である田中・カナの死と言葉、そして田中の実子である未来（みく、ウシロの異父妹）の姿に心を動かされ契約を決意します。

国防軍

田中 美純（たなか みすみ）

声 - 進藤尚美

航空国防軍一尉。国防大学23期生の中では極めて優秀で、図上演習・兵棋演習では無敗を誇り、同期からは畏敬をこめて「カナタさん」と呼ばれる。交渉能力も高く、傍若無人のコエムシをして苦手と言わしめるほど。子供達の良き相談相手となる。チズ編の後、パイロットが2人足りないことが分かり契約者となる。カナの戦いの際に戦闘機に乗ってジアースを援護するが、撃墜され捕まってしまい、自らを撃ち抜き命を絶ちます。

関 政光（せき まさみつ）

声 - 川田紳司

海上国防軍一尉。独身。田中とは同期。国防軍志願のきっかけは『アイドル防衛隊ハミングバード』に憧れたため。田中と共に契約を結び、戦闘時にはコックピットでパイロットのサポートや軍との連絡を担当します。カンジの戦いの際に、自らの生命反応をもって敵に光線攻撃を当てるための的となり、他の22名のジアースパイロットの志願者たちと共に死亡します。

佐々見（ささみ）

声 - 木下浩之

国防省軍令局の立場からジアース関連の戦闘の対策などを立てている。国家官僚としての冷徹な部分も持つが、子供達の立場を理解し彼らが少しでも有利に戦えるよう尽力している。茫洋としてつかみ所のないキャラクターで、ジアースを見て「男の子の夢⋯だよなぁ」とつぶやくなどの茶目っ気も見せていたが、物語の進行に伴い、戦う子供達を支える事しかできない自らの役割へ深く苦悩していきます。最終話では自ら志願して新たなコエムシとなり、次の地球をサポートすることになります。

多手（たて）

佐々見の補佐を務める若い男性。譜めくりの経験がある。町家に詰めていた時には娘の事で荒れていた父から酒を買いに使い走りにされています。ウシロの戦いではコックピットに同乗する。

古茂田 巴（こもだ ともえ）

コモの父親。海上国防軍一佐で第一艦隊旗艦「長門」の艦長。謹厳実直を絵に描いたような軍人で、コモには「父は男の子がほしかったのではないか」とさえ思われているが、かつてコモに付き合ってピアノを始めた時には、ピアノを弾くと優しい気持ちになってしまうという理由から挫折しているなど、根は人間的な人物である。敵性地球人を射殺した後、死亡したコモの遺体を抱き、軍を辞めるつもりであることを佐々見に告げます。

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