まいまいクラブ

まいまいクラブ

まいまいクラブは、日本の主要な新聞社の一つである毎日新聞社が、その読者を中心とした層に向けて提供していた会員制のオンラインポータルサイトです。2005年10月にサービスが開始されました。この試みは、日本の新聞社が手掛ける会員制ポータルサイトとしては初めての先駆的な取り組みとして注目を集めました。

サイトの名称である「まいまいクラブ」には、「My-Mai」という表記も用いられ、「私の生活の中にある毎日新聞」といったイメージが込められていました。また、ユニークな点として、ペットキャラクターにカタツムリが採用されていました。これは、ゆっくりでも着実に前進するというメッセージに加え、地球環境の保全にも力を注いでいくという毎日新聞社の姿勢を象徴するものとされていました。

このサービスは、登録料および年会費が無料という形態で運営されており、会員登録を行うことで様々な特典を享受することができました。具体的には、サイトに掲載された記事に対する感想文を書き込む機能や、お得な情報やサイト更新情報などを配信するメールマガジンの受け取り、さらにはプレゼント企画への応募、そして会員限定のイベントへの招待などが主な特典として提供されていました。ただし、提供されるコンテンツの中には、毎日新聞を実際に定期購読している会員限定で利用できるものも存在し、購読者への優遇も図られていました。

しかしながら、サービスの形態は変化を迎えます。2015年11月2日、毎日新聞社は「まいまいクラブ」のサービスを休止することを発表しました。そして、同年12月1日をもって、毎日新聞社の主要なデジタルプラットフォームである「デジタル毎日」へとその機能が統合されることになりました。

このサービス統合に伴い、まいまいクラブ内で親しまれていた一部のコンテンツは、毎日新聞社のニュースサイトへと移管され、引き続き利用できるようになりました。特に、「万能川柳」や「おんなの気持ち」といった投稿コーナーは、その人気から毎日新聞ニュースサイト上に掲載される形で継続されることになりました。一方で、それ以外の様々な投稿コーナーや、まいまいクラブ独自の一部のコラムなどについては、サービス統合と同時に惜しまれつつ終了となりました。

まいまいクラブは、約10年間にわたり毎日新聞の読者と紙面を結ぶオンラインコミュニティの役割を果たしました。新聞社が自社の読者向けに展開する会員制サービスの先駆けとして、その後の各新聞社のデジタル戦略にも影響を与えたと考えられます。他の新聞社も同様に読者向けの会員制サイトを運営しており、例えば朝日新聞の「アスパラクラブ」や読売新聞の「yorimo」などが挙げられます。短い期間ではありましたが、まいまいクラブは新聞のデジタル化が進む過程における、重要な試みの一つでした。

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