ましろのおと

『ましろのおと』

『ましろのおと』は、羅川真里茂が手掛けた漫画作品で、津軽三味線を中心にした独自の世界観を展開しています。この作品は2010年に『月刊少年マガジン』で読み切りとして始まり、その後連載が開始され、2022年まで続きました。著者にとって少年誌での初めての連載作品であり、白泉社以外での連載も初の試みでした。また、作品名の「ましろの音」は、音楽と楽譜を意味する「ましろノート」という二つの意味が込められています。

受賞歴

本作は、2012年に第36回講談社漫画賞少年部門を受賞し、同年の文化庁メディア芸術祭マンガ部門で優秀賞を獲得しました。2021年4月時点での作品の累計発行部数は450万部を超え、その人気を証明しています。

あらすじ

物語の主人公は、16歳の津軽三味線奏者、澤村雪。彼の生涯は、祖父であり師である澤村松吾郎の死によって大きく変わります。松吾郎の教えを受けながら育った雪は、自身の音を見つけるために上京を決意しますが、行くあてもなく不安を抱えながら東京に足を踏み入れます。上京後、雪は偶然出会った女性やロックバンドのメンバーとの騒動に巻き込まれながら、自身の音楽の道を模索し始めます。

その後、母親により私立梅園学園に転入させられ、津軽三味線愛好会のメンバーたちと出会い、彼らと共に成長していく姿が描かれます。様々な他者との交流を通じて、雪は自分自身の「音」を理解し始め、演奏を通じた絆を深めていきます。

主要キャラクター

• - 澤村雪：主役で16歳の津軽三味線奏者。祖父の影響を受けて育ち、音楽を通して自分自身を見つける旅を続けます。
• - 澤村若菜：雪の兄であり才覚を持つ奏者。弟思いで生真面目です。
• - 澤村松吾郎：故人であり雪の祖父。全盲の津軽三味線奏者で、名人として知られています。
• - 澤村梅子：雪の母。仕事に追われながらも、子供たちの才能を世に出すために奔走します。
• - 前田朱利：雪のクラスメイトで、津軽三味線を始めたきっかけがある女の子。雪との出会いを通じて成長します。

アニメ化

『ましろのおと』は2021年にアニメ化され、毎日放送やTBSで放送されました。アニメ版は上京から始まり、音楽に情熱を持つ若者たちの物語を描き、津軽三味線甲子園での雪の成長と葛藤を描いたシーンで幕を閉じます。

音楽の魅力

作品中では、津軽三味線の演奏が重要な役割を果たしており、実際の演奏に基づいた楽曲が劇中に使用されています。また、津軽三味線の文化や伝統が描かれており、音楽が持つ力を感じさせる内容となっています。このように、『ましろのおと』は音楽と人々の成長をテーマにした感動的なストーリーを展開しています。

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