まぼろしの人

シングル「まぼろしの人」

「まぼろしの人」は、茶木みやこの6枚目のシングルであり、1977年5月1日にハーベスト・レコードからリリースされました。この曲は、同年4月からスタートしたTBS・MBS系のテレビドラマ『横溝正史シリーズ』の主題歌として起用されており、劇中の雰囲気を引き立てる重要な役割を果たしています。

楽曲制作の背景

茶木みやこによれば、この曲は外部からの依頼がきっかけで作曲されたといいます。彼は、3作目のシングル「泪橋」の作詞を担当した山本勣や、大学の音楽仲間である寺山寿和に協力を求め、共に2曲を制作しました。結果的に、主題歌として採用されたのは「まぼろしの人」であり、「風の橋」がB面となりました。曲の制作時には、寺山に「金田一耕助のイメージで」と依頼したことで、横溝正史の作品に通じる独特のおどろおどろしい雰囲気を意識していたそうです。

この時のアプローチは、これまでの楽曲には見られないような奇抜なメロディ作りにも力を入れたものでした。異なるトーンやスタイルを取り入れたことで、聴く者に強烈な印象を与える結果となったのです。

編曲と演奏

「まぼろしの人」の編曲と演奏を担当したのは、ロックバンド「四人囃子」のメンバーで構成された「グッド・グリーフ」というグループです。このバンドはメンバーの入れ替わりが激しかったため、異なるレコード会社に所属している場合、元の名前を使えないことが多く、このようなグループ名が選ばれました。

収録曲

シングルは2つのトラックが収められています。

• - SIDE A

まぼろしの人（2分45秒）
作詞: 寺山寿和 / 作曲: 茶木みやこ / 編曲: グッド・グリーフ

• - SIDE B

風の橋（3分40秒）
作詞: 山本勣 / 作曲: 茶木みやこ / 編曲: グッド・グリーフ

このように、茶木みやこの「まぼろしの人」は彼女の音楽キャリアにおいてひときわ重要な作品となり、今もなお多くのファンに愛されています。特にドラマの主題歌としての役割は、楽曲の魅力をさらに引き立てており、当時の音楽シーンにも大きな影響を与えました。

タイトル表記の違い

このシングルには初回盤と再発盤があり、それぞれタイトルの表記が異なります。初回盤では「まぼろしの人」と表記されていますが、再発盤では「幻の人」と漢字表記に変更されています。このような違いも、ファンにとってのコレクションの楽しみの一部となっています。

参考資料

• - 映画秘宝編集部『金田一耕助映像読本』洋泉社、2014年8月30日。
• - 歌詞情報｜茶木みやこ - ORICON NEWS

「まぼろしの人」は、その壮大なテーマと独特のメロディで、今後も多くの人々に記憶され続けていくことでしょう。

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