みちのくダービー

みちのくダービー：仙台と山形の魂がぶつかり合う激闘

みちのくダービーは、Jリーグに所属するベガルタ仙台とモンテディオ山形が対戦する試合の呼称です。単なる一戦を超え、両チームのプライドとサポーターの熱い想いがぶつかり合う、特別な意味を持つダービーマッチとして知られています。

歴史

両チームの最初の対戦は、1989年の東北社会人サッカーリーグチャレンジマッチまで遡ります。当時は、仙台の前身である東北電力サッカー部と、山形の前身である山形日本電気が激突しました。その後、ジャパンフットボールリーグやJ2リーグでの対戦を経て、両チームはライバルとしての関係を深めていきました。

「みちのくダービー」という名称が正式に制定されたのは、2010年のことです。J1リーグでの初対戦を前に、山寺後藤美術館で共同記者会見が開かれ、両クラブの対戦を「みちのくダービー」と呼ぶことが発表されました。これにより、両チームの対戦は、地域を代表するダービーマッチとしての地位を確立しました。

名称について

一部のマスメディアでは「東北ダービー」という名称も使用されていましたが、2014年以降、いわてグルージャ盛岡、ブラウブリッツ秋田、福島ユナイテッドFCといった他の東北地方のクラブがJリーグに加盟したことで、これらのチーム間の対戦を総称して「東北ダービー」と呼ぶことが一般的になりました。そのため、仙台と山形の対戦は、現在では「みちのくダービー」と呼ばれることが一般的です。

ユニフォームに関するエピソード

過去には、ユニフォームの色を巡る興味深いエピソードも存在します。2000年から2008年、そして2010年の仙台のホームゲームでは、山形のフィールドプレーヤーが1stユニフォームのストッキングを青から白に変更して着用していました。これは、山形の2ndユニフォームが黄色で仙台の1stユニフォームのシャツと同系色であること、そして山形の通常の1stユニフォームも仙台の1stユニフォームのパンツ及びストッキングと同系色であるという事情を考慮したものでした。

2015年の対戦時には、仙台のホームゲームで山形のフィールドプレーヤーが全身赤色の2ndユニフォームを着用し、山形のホームゲームでは仙台のフィールドプレーヤーが1stユニフォームのシャツ・ストッキングに2ndユニフォームの白パンツを着用しました。

その他のエピソード

2008年6月15日に行われた試合では、前日に発生した岩手・宮城内陸地震の犠牲者を悼み、両チームの選手が喪章を付けてプレーしました。また、2011年8月27日の試合では、一部の仙台サポーターが山形に対する不適切なコールや横断幕の掲出を行い、仙台のクラブが謝罪する事態となりました。2015年3月7日の試合では、山形サポーターが試合前のセレモニー中にコールを続け、山形のクラブが謝罪コメントを発表しました。

2022年には、7年ぶりにリーグ戦でダービーが開催されることになり、山形の社長が仙台を挑発するポスターを制作し、話題を呼びました。2023年5月13日の試合は「Jリーグ30周年記念マッチ」として開催され、特別なデザインの公式試合球が使用されました。

2024年4月13日の試合では、仙台が勝利しましたが、試合後に山形のサポーターが監督・選手に水をかけるという事態が発生し、ファンサービスが中止となるなど、波紋が広がりました。

戦績

過去の対戦成績は以下の通りです。

リーグ戦 (東北リーグ・JFL): 仙台 3勝3分8敗、山形 8勝3分3敗
Jリーグ: 仙台 19勝16分8敗、山形 8勝16分19敗
* カップ戦他: 仙台 2勝1分4敗、山形 4勝1分2敗

パブリックビューイング

過去には、みちのくダービーを盛り上げるために、パブリックビューイングも開催されています。2007年には勾当台公園で、2011年にはユアテックスタジアム仙台で、そして2018年には定禅寺メディアステーションとイオンモール天童で開催されました。2023年にも、山形県内の複数会場でパブリックビューイングが行われました。

まとめ

みちのくダービーは、単なるサッカーの試合にとどまらず、地域に根ざした文化的なイベントとしての側面も持っています。両チームのサポーターによる熱狂的な応援や、試合を盛り上げるための様々なイベントなど、見どころ満載です。これからも、みちのくダービーは、東北地方のサッカーシーンを熱く盛り上げていくことでしょう。

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