みとりし

映画『みとりし』

『みとりし』は、2019年9月13日に全国公開された日本映画で、アイエス・フィールドの制作・配給による作品です。主演は榎木孝明が務めています。この映画は、一般社団法人日本看取り士会の会長である柴田久美子の著書『私は、看取り士』を原案にしています。

看取り士とは

「看取り」とは、人生の最期を迎える人々を見守り、安心して旅立てるよう支えることを指します。看取り士は、患者が望む家でその人らしい最期を迎えることができるよう、親族とともに心に寄り添ってサポートする専門家です。看取り士の役割は、人生の終焉に際して家族や患者が直面する様々な感情の整理を助け、彼らの希望を叶えることです。

柴田久美子が看取り士として27年間の経験を踏まえ、映画製作を提案した背景には、彼女自身の人生における深い実感がありました。俳優の榎木孝明は彼女の提案を受け、映画作りに関わることを志し、その想いが実現しました。本作の公開に際して、榎木は看取り士が「生から死への命の引継ぎのサポーター」となる重要性を強調し、柴田の言葉に触発されたことを明かしています。

あらすじ

物語の主人公である柴久生は、大切な娘を失った傷心から自ら命を絶とうとします。しかし、その瞬間に彼の心に響いた男性の声は、長年の親友であり故人である川島の言葉でした。この声に導かれ、柴は生きる決心をします。柴は、亡き友を看取った際の経験から、看取り士として生きる新たな道を選び、岡山県高梁市にある看取りステーションで勤務を始めます。

彼はそこで、余命宣告を受けた患者たちに寄り添いながら、その最期の希望を叶えるべく日々を重ねていきます。そんな折、新人看取り士の高村みのりが加わります。高村は育児をしながら余命宣告を受けた女性患者を担当することになり、過去のトラウマに直面します。彼女は、母を失った経験を抱えながら、子供の未来を思う苦悩で葛藤するのです。

このように、柴は高村を導き、二人はともに患者たちの多様な死と向き合い、看取り士として成長していきます。彼らは患者の家族とも関わりながら、苦しみや喜びを分かち合う日々を送り、看取りの大切さを実感していきます。

キャストと制作スタッフ

映画『みとりし』では、主役の看取り士・柴久生を榎木孝明が演じています。また、高村みのり役には村上穂乃佳、早川奏太役には高崎翔太がキャストとして参加しています。監督は白羽弥仁が務め、映画の音楽は妹尾武によって制作されています。

結語

本作は、看取り士の役割を通じて、生に寄り添いながら最期を迎える際の心の支えや、家族の絆の重要性を深く掘り下げた感動的な作品です。死を迎えることは恐れを伴う一方で、愛する人々との関係や思い出を再確認する大切な時間でもあります。映画『みとりし』を通じて、多くの人々が人生の最期について考え、心の繋がりを感じるきっかけとなることを願っています。

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