みんな元気

『みんな元気』（伊題: Stanno tutti bene, 英題: Everybody's Fine）は、1990年に公開されたジュゼッペ・トルナトーレ監督によるイタリア映画です。この作品は、一人の父親がイタリア各地に住む子供たちを訪ね歩くロードムービーであり、小津安二郎監督の『東京物語』へのオマージュとして知られています。

あらすじ

物語は、70歳の老人マッテオ・スクーロが、毎年恒例の5人の子供たちの集まりを心待ちにしているところから始まります。しかし、その年の夏は誰一人として姿を現しませんでした。子供たちの身を案じたマッテオは、彼らを驚かせようと、自ら電車に乗って子供たちを訪ねる旅に出ることを決意します。

最初に、学校で働いているという息子アルヴァーロを訪ねますが、連絡が取れません。次に、議員秘書として働くカニオに会いに行きますが、彼は仕事に追われ、ゆっくりと話せる状況ではありませんでした。

その後、マッテオは通行人の勘違いから警察の世話になりますが、そこで女優でモデルのトスカと出会います。トスカはマッテオを自宅に泊め、ファッションショーに招待します。次に、打楽器奏者のグリエルモに会いに行くと、彼はすぐに次の公演で旅立つと言いますが、マッテオはその作り笑いから、彼が嘘をついていることに気づきます。最後に、幸せな家庭を築いているはずの娘ノルマの家を訪れますが、孫の話を聞き、マッテオは悪い予感が的中したことを悟ります。

夜の街を彷徨うマッテオの前に、幼少期の姿をした5人の子供たちが現れ、それぞれが隠していた真実を語り始めます。彼らの言葉は、父親としてのマッテオの心に深く突き刺さります。

キャスト

マッテオ・スクーロ: マルチェロ・マストロヤンニ
電車の女性: ミシェル・モルガン
トスカ: ヴァレリア・カヴァーリ
カニオ: マリーノ・チェンナ
ノルマ: ノルマ・マルテッリ
グリエルモ: ロベルト・ノービル

リメイク

2009年には、ロバート・デ・ニーロ主演でハリウッドリメイク版が製作されました。オリジナル版とは異なる視点から、家族の絆を描いています。

作品の魅力

『みんな元気』は、親子の愛情、家族の絆、そしてそれぞれの人生の選択を描いた感動的な作品です。マッテオの旅を通して、子供たちが抱える悩みや葛藤が明らかになり、観る者の心に深く響きます。マルチェロ・マストロヤンニの名演も必見です。

外部リンク

みんな元気 - allcinema
みんな元気 - KINENOTE
* L'uomo delle stelle - IMDb（英語）

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