むく犬ディグビー

むく犬ディグビー：巨大犬が巻き起こす、笑いと感動の物語

1973年、イギリスで生まれたファンタジーコメディ映画『むく犬ディグビー（Digby, the Biggest Dog in the World）』は、テッド・キーの小説を原作とした、愛くるしい犬とユニークな登場人物たちが織りなす心温まる物語です。

物語の中心となるのは、オールド・イングリッシュ・シープドッグのディグビー。建築塗料のCMで人気を博した実在の犬がモデルという、豪華なキャスティングが話題を呼びました。ジム・デイル、スパイク・ミリガン、アンジェラ・ダグラスなど、実力派俳優陣が脇を固める豪華な顔ぶれも魅力の一つです。

物語は、少年ビリーとディグビーの出会いを描いたシーンから始まります。ビリーは、動物保護施設でディグビーと出会い、その魅力に惹きつけられていきます。マネージャーの好意もあり、ビリーはディグビーを家族の一員として迎え入れることに成功します。

一方、NATOの研究所では、植物の成長を促進する画期的な薬品が開発されます。しかし、その薬品には、植物を巨大化させるという思わぬ副作用がありました。この薬品の存在は、物語全体を大きく動かす重要な鍵となります。

ビリーは、犬嫌いな祖父の反対により、一時的にディグビーを動物好きな研究員ジェフに預けることになります。ジェフは、研究所で開発された成長促進剤を、自宅のバラを巨大化させるため、少量拝借します。しかし、その促進剤を、ディグビーが誤って飲んでしまうというハプニングが発生します。

ディグビーは、成長促進剤を飲むことで、みるみるうちに巨大化していきます。ジェフは、ディグビーの秘密を守りながら、懸命に世話をします。しかし、ディグビーの巨大化は、次第に周囲の人々に気づかれ始め、ジェフは様々な困難に直面します。研究所では、成長促進剤の盗難事件が発生し、ジェフが疑われる事態に発展します。

ジェフは、ディグビーの世話を続けるうちに、彼への愛情を深めていきます。そして、ビリーの祖父もディグビーを受け入れるようになり、ジェフはディグビーとの生活を続けることを許されます。しかし、巨大化し続けるディグビーを隠匿するのは限界に達し、ジェフはディグビーを田舎のおばさんの家へと移そうとします。

その際、元サーカス団員であるトムとジェリーが、巨大化したディグビーをサーカスで売り込もうと、ジェフからディグビーを奪おうとします。ジェフは、ディグビーを守るため、様々な困難と戦わなければなりません。

この映画は、少年と犬の心温まる友情、そしてちょっと変わった科学実験と、個性豊かな登場人物たちが織りなすドタバタ劇が、絶妙なバランスで描かれています。ディグビーの愛くるしい姿と、予測不能な展開は、見る者の心を掴んで離しません。家族愛、友情、そして科学の力といった普遍的なテーマが、ユーモラスな演出によって表現されている点も、この映画の魅力の一つと言えるでしょう。

監督はジョセフ・マクグラス、脚本はマイケル・パートウィーが担当し、個性的なキャラクターとテンポの良い展開が魅力的な作品に仕上がっています。1990年にはテレビ東京で放送され、日本でも多くのファンを獲得しました。

『むく犬ディグビー』は、子供から大人まで楽しめる、心温まるファンタジーコメディ映画です。一度ご覧になってみてはいかがでしょうか？

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