むらかみ ひとみ
むらかみ ひとみは、
1979年に日本の
大阪府に生まれた、絵本
作家、
版画家、そして
イラストレーターとして多岐にわたる活動を展開するアーティストです。
経歴と制作活動
創造社デザイン専門学校にて基礎を学び、卒業後、さらなる技術の研鑽を積むため
イタリアへと渡りました。
フィレンツェにある
版画工房で専門的な技術を習得し、帰国後、主にリノカット
版画という手法を用いて作品を生み出しています。リノカット
版画は、リノリウム板を彫って版を作り、インクを乗せて紙にプレスすることで生まれる、独特の温かみと力強さを持つ表現手法です。むらかみひとみは、この技法を駆使して、絵本の原画や自身の作品を制作しています。
国際的な評価と活動分野
その才能は国際的にも認められており、特に児童書の分野で権威ある
イタリアのボローニャ国際絵本原画展には、2003年、2005年、2006年と、異なる作品で合計3回にわたり入選を果たしています。これは、絵本
作家・
版画家としての確かな実力と世界に通用する表現力を持つことの証と言えるでしょう。
むらかみひとみの活動は、絵本制作に留まりません。自作絵本の発表はもちろんのこと、他の
作家の物語に挿画を提供するなど、
イラストレーターとしても活躍しています。また、絵本以外の書籍、特に手芸や工作といった実用書の分野でも、その
版画やイラストを生かした作品を多数発表しています。さらに、次世代を担う子どもたちに創作の楽しさを伝えるべく、ワークショップの開催にも積極的に取り組んでおり、幅広い層に向けて芸術の魅力を発信しています。
主な作品
むらかみひとみが手がけた主な作品の一部を以下に挙げます。
絵本
『まっくらよるとばくのムー』(
ヴィレッジブックス にいるぶっくす)- 2006年ボローニャ国際絵本原画展入選作品
『La longue trompe de Colongo』(Lirabelle/フランス)- 2005年ボローニャ国際絵本原画展入選作品
『Baleine, a` l'aide !』(Lirabelle/フランス)- 2003年ボローニャ国際絵本原画展入選作品
『ヤマネのナノのぼうけん』文・上岡 裕(
岩崎書店)
『浴缸變小了!』(Grimm Press/台湾)作・郝廣才
『DANS LES DRAPS DE LA NUIT』作・Quatromme France(Lirabelle/フランス)
『まっくらなよるのムー』(イマジネイション・プラス)- 2006年ボローニャ国際絵本原画展入選作品
『ナマケモノだから』(イマジネイション・プラス)
『ビーバーくんとポプラのき』(イマジネイション・プラス)
『かたちとあそぼう』(
玉川大学出版部〈あそぼう絵本〉)
『かげとあそぼう』(
玉川大学出版部〈あそぼう絵本〉)
実用書
『すぐできる!きれいな切り紙』(
ヴィレッジブックス)
『かわいいインテリア・モビール』(ブティック社)
『かんたん! かわいい! 切り紙雑貨』(
講談社)
『絵本から飛び出した かわいい刺繍小物』(
講談社)刺繍・クボトモコ
『つくろう! あそぼう! かたちともよう』(
玉川大学出版部)
* 『つくろう! あそぼう! ひかりとかげ』(
玉川大学出版部)
これらの作品を通じて、むらかみひとみは、独特の
版画表現と豊かな想像力で、見る者に物語の世界や創作の楽しさを伝えています。