めぐりん (八晃運輸)

岡山市の市内循環バス「めぐりん」

「めぐりん」は、八晃運輸が岡山県岡山市の中心部で運行する市内循環バスの名称です。2012年7月20日に運行を開始し、岡山市内の様々な主要施設を結んでいます。競争力のある運賃体系や、規制緩和による新規参入が特徴です。運行の拠点は岡山市南区の「バス事業部岡山営業所」であり、1キロ圏内の運賃は均一で120円となっています。

背景と運行の開始

「めぐりん」の運行開始は、2002年の道路運送法の改正に遡ります。この改正により、需給調整規制から資格要件に基づく許可制に移行し、新規事業者が参入しやすくなりました。八晃運輸は、この環境を利用し、市内循環バス事業に参入しました。

運行体系は、当初の「Aルート」と「Bルート」の2系統からスタートし、その後、複数の改訂や路線の追加が行われました。特に2013年に運行を開始した「京橋めぐりん」や、2015年の「県庁めぐりん」などの新路線は、市民にとって利便性の高い選択を提供しています。

競合他社との対立

運行開始から現在まで、「めぐりん」は岡山市内の他の交通機関、特に両備バスや岡山電気軌道との競争と摩擦がありました。特に2017年には、新たに「益野線」という路線の運行を計画し、両備バスの競合路線と激しく重複するルートでの運行が予想され、両社の対立が深まりました。

両備グループは、この新路線による影響で年間数億円の減収が見込まれ、一斉に廃止届を提出するなどの強硬姿勢を取りました。しかし、八晃運輸は「健全な競争を促進し、サービスの向上を図る」と反論し、両備グループの手法に対しても意見を表明しました。このような対立は、単なるビジネス上の摩擦だけでなく、地域の交通網全体に対する影響を与えています。

運賃とサービス

「めぐりん」の運賃は、均一料金120円で、市内の主要施設を手軽に利用できる点が大きな魅力です。また、乗降方法も「前乗り前払い中降り」から、一般的な「中乗り前降り後払い」に変更され、利用者にとって使いやすいシステムに進化しました。

さらに、乗り継ぎの際には「乗継券」を受け取ることで追加運賃が不要となる特典もあり、このようなサービスの提供が顧客から高く評価されています。なお、ICカード「Hareca」を導入しており、QRコード決済にも対応していますが、他のバス路線とは異なり、高齢者割引は設けられていません。

今後の展望

「めぐりん」は岡山市の公共交通の一翼を担い続けており、今後も運行路線の変更や新たなサービスの導入が期待されています。しかし、競合他社との関係やroutesの重複問題は今後の課題として残っています。市内の交通網が持続可能な形で発展するためには、地域全体を見据えた継続的な運営が不可欠です。このような状況の中で、八晃運輸がどのように競争を乗り越え、地域貢献を果たしていくのかが注目されます。

総じて「めぐりん」の発展と共に、岡山市における公共交通の未来に対する関心も高まっています。市民のニーズや環境に適した交通サービスを模索し続けることが、今後の永続的な成長の鍵となるでしょう。

もう一度検索