もしもタヌキが世界にいたらとは？意味をやさしく解説

もしもタヌキが世界にいたら

『もしもタヌキが世界にいたら』は、1983年にフジテレビ系列のクイズ番組『なるほど!ザ・ワールド』のエンディングテーマとして初めて発表されました。この曲は同年8月30日の放送回で番組が成立100回を迎えるのを祝うために制作されたもので、1984年 10月9日まで放送され続けました。作詞は荒木とよひさ、作曲と編曲は著名な音楽家坂本龍一が手掛けています。

歌詞の魅力

歌詞には、各国の「こんにちは」を表現する言葉や、その国の首都の名前が巧みに盛り込まれています。そして、歌の中では国の特徴に合った楽器の音色が用いられており、聴く人を楽しませるユニークなフレーズが展開されます。曲中に登場する「○○タヌキになるでしょう」の「○○」には、各国の名物が代入され、聴くたびに異なる楽しみが生まれます。

この曲は、ユミ（遠藤由美子）と安田伸が在籍していたバンド「シーラカンス」によってレコードとしてもリリースされました。さらに1984年には続編として「もしもタヌキが世界にいたら2」が登場し、こちらも注目を集めました。続編の編曲は瀬尾一三が担当しています。

ユミの正体

この曲が発表された当初、ユミの正体は謎でしたが、視聴者からの「ユミって誰？」という多くの質問が寄せられたため、番組内で遠藤由美子であることが発表されました。続編のジャケットには遠藤の顔写真が添えられたこともあり、彼女の存在が一層強調されました。

レコードとジャケットのデザイン

「もしもタヌキが世界にいたら」の初回プレス版は、正距方位図法を用いた世界地図のデザインが施されたピクチャー・レコードとしてリリースされました。A面が北半球、B面が南半球という工夫が施され、長尺の楽曲であるために、通常の7インチ盤の設定とは異なり33⅓回転での再生が必要です。

この曲では10か国（続編では9か国）が紹介されており、番組のエンディングではその中からランダムに2つのコーラスが選ばれて歌われます。ただし、一部の曲はエンディングでは演奏されないことがあり、続編の曲調にも変更が見られました。

ディスクジャケットのデザイン

「もしもタヌキが世界にいたら2」においては、番組のマスコットを手掛けたイラストレーター、スチュワート・マスコウィッツが描いたタヌキがジャケットに登場します。一方で、初版のジャケットでは11匹のタヌキが地球の周りに描かれており、地球を動かすことでタヌキの数が減るというトリックが施されています。また、ジャケットの裏面には世界の主要な国名とその首都が表示されています。