ものつくり大学

ものつくり大学について

概要

ものつくり大学は、埼玉県行田市前谷に本部を持つ私立の高等教育機関で、2001年に設立されました。略称として「もの大」や「iot」、「も大」が知られています。この大学は、当初「国際技能工芸大学」という名称で計画されていましたが、哲学者の梅原猛が提案した「ものつくり大学」が採用されました。さらに、英文名称の「Institute of Technologists」は、経営学の先駆者であるピーター・ドラッカー博士によって名付けられました。現在、ものつくり大学は、設備の充実度から「群を抜く実践教育」として評価されています。

教育の理念

ものつくり大学の基本理念は、次の6つのポイントに集約されています。まず、ものづくりに直結する実技・実務教育の重視や、技能と科学、技術、経済、芸術、環境を結びつける教育が挙げられます。さらに、社会と時代の要請に対応した教育、独自性と協調性を培う人間性豊かな教育が重視されています。また、ものづくりの現場で必要な統率力や起業力を育てるマネジメント教育、そして国際性を備えた人材の育成も重要視されています。

大学の沿革

1990年代には、建設業界の熟練職人不足が問題となり、新たな人材育成のための「職人大学構想」が提唱されました。当初は建設業を中心に計画されていましたが、製造業の技能者不足も背景に、2つの学科を設ける方針が立ち上がりました。校地は、当初予定していた佐渡ではなく、広いキャンパスを確保できる首都圏の行田市に決定されました。1999年には文部省が大学設立準備財団を公式に認可し、2001年4月にものつくり大学として開学を迎えました。

教育内容と学部

ものつくり大学は、「技能工芸学部」と「情報メカトロニクス学科」など、実践的な専門教育を提供しています。技能工芸学部には、製造学科や建設学科があり、各学科には多様なコースが存在します。これにより、学生は自分の興味に応じた専門知識を深めることが可能です。また、大学院には、ものつくり学研究科が存在し、より高度な学びを追求することができます。

学生生活とイベント

ものつくり大学では、学園祭「碧蓮祭」が毎年10月に開催されます。このイベントでは、研究発表や、地域の小学生を対象にした「マンガンカーレース大会」が行われ、ものづくりの楽しさを伝えています。学生たちは、指導のもとアルカリマンガン電池で動く模型自動車を製作し、製作過程を通じて学びの喜びを体験します。この他にも、同窓会や地域の職業団体などと連携し、子どもたちにものづくりの機会を提供しています。

交通アクセス

ものつくり大学は、JR高崎線の吹上駅から徒歩15分ほどの距離に位置しています。また、朝日バスを利用すれば、周辺地域からもアクセスが可能です。これにより、学生は通学に便利な環境が整っています。

ものつくり大学は、ものづくりを基盤にした先進的な教育を展開しており、実践的な技術と国際的な視野を備えた人材の育成に努めています。教育方針は、時代の変化に対応し、社会的なニーズを常に意識したものとなっており、未来の技術者や職人を目指す学生にとって理想的な学びの場となっています。

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