もんだいガール

もんだいガール：きゃりーぱみゅぱみゅの挑戦と社会への風刺

2015年3月18日、きゃりーぱみゅぱみゅはシングル『もんだいガール』をリリースしました。この楽曲は、それまでのファンタジーやラブリーなイメージとは異なる、クールで攻撃的なサウンドと歌詞が特徴で、大きな話題を呼びました。

音楽性と制作背景

きゃりーぱみゅぱみゅ自身も「これまでにないかっこいいサウンドと攻撃的な歌詞」と表現する『もんだいガール』。楽曲は、キャッチーなメロディーと力強いビートが融合した、ポップでカラフルな仕上がりとなっています。

この曲は、テレビドラマ『問題のあるレストラン』の主題歌として、中田ヤスタカによって書き下ろされました。制作にあたっては、きゃりーぱみゅぱみゅの強い想いを聞き、中田ヤスタカは初めて歌詞先行で作曲するという新しいアプローチを試みました。ドラマプロデューサーの清水一幸は、きゃりーぱみゅぱみゅがドラマ主題歌を担当したことがないこと、そしてドラマの舞台が原宿・表参道であることを主題歌選定の理由として挙げています。

公開後、インターネット上ではイントロがファイナルファンタジーシリーズの戦闘音楽に似ているとの声も上がりました。音楽評論家の四方宏明は、その類似性を「ワンフレーズ引用」レベルとしながらも、中田ヤスタカのゲーム音楽への造詣の深さや、過去の楽曲における音楽的引用に触れ、影響の可能性を示唆しています。

各方面からの評価

『もんだいガール』は、音楽業界からも高い評価を受けました。桑田佳祐は自身のラジオ番組でこの曲を2015年邦楽ベスト20の7位に選出しています。

10周年記念コラボレーション

2022年には、きゃりーぱみゅぱみゅの歌手デビュー10周年を記念して、経営難に陥っていた銚子電気鉄道とのコラボレーションが実現しました。「問題がある（＝もんだいガール）」という共通点を見出し、ユニークな企画が展開されました。

楽曲とミュージックビデオ

シングルには、表題曲『もんだいガール』に加え、『KISEKAE』（任天堂「Newニンテンドー3DS」CMソング）、『MY ROOM』（CHINTAI CMソング）、『CANDY CANDY -Remix-』、そして各楽曲のインストゥルメンタルバージョンが収録されています。初回限定盤には、2014年ツアーのライブ映像を収録したDVDが付属しました。

アートワークは、赤、青、緑、黄色のシンプルな衣装を着た8人のきゃりーぱみゅぱみゅが描かれています。初回盤はパパラッチをイメージした写真、通常盤は過激ながらも爽やかな印象を与える“もんだいガール”を表現した写真が使用されています。

ミュージックビデオは3つの異なる世界観で構成され、「強い女性」の姿を描いています。セレブ風、自由奔放、そしてモード感あふれる3つの異なるきゃりーぱみゅぱみゅの姿が映し出され、ユーモアのある問題行動シーンも散りばめられています。24時間にわたる撮影は、きゃりーぱみゅぱみゅ自身のアイデアである「キューティ・ブロンド」をイメージした衣装など、多くのこだわりが詰まっていることも特徴です。また、交際中のSEKAI NO OWARIのFukaseの楽曲「Dragon Night」を意識した演出も取り入れられています。

まとめ

『もんだいガール』は、きゃりーぱみゅぱみゅの音楽性と表現力の幅広さを示す、非常に重要な作品となりました。社会への風刺、音楽性、ミュージックビデオの演出、そしてコラボレーションなど、多面的に楽曲の魅力を分析することで、その人気と影響力の大きさを改めて認識することができます。この楽曲は、単なるポップソングの枠を超え、現代社会への鋭い視点を提示する、挑戦的な作品と言えるでしょう。

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