やすきよの結婚します!

『やすきよの結婚します！』は、1979年（昭和54年）10月7日から1980年（昭和55年）9月28日まで、毎日放送の制作によりTBS系列局で放送されたユニークなトークバラエティ番組です。毎週日曜日の14:00から14:30にかけて放送され、全51回でその歴史に幕を閉じました。

この番組は、それまで日曜日の12:00枠で放送されていた『婚約診断スイッチON』が、放送時間帯の変更に合わせて内容を刷新し、後継番組としてスタートしたものです。司会は、前身番組から引き続き人気漫才コンビの横山やすしと西川きよしが務め、彼らの持ち味である歯切れの良いトークと掛け合いが番組の核となりました。

リニューアルにあたり、番組のフォーマットには大きな変更が加えられました。前番組では複数組の婚約カップルが登場し、司会者やゲストが彼らの相性を診断するという要素がありましたが、『やすきよの結婚します！』では登場するカップルを毎週2組に絞り、カップルに対する診断そのものが廃止されました。これにより、番組はカップルたちのなれそめや結婚に関するエピソードなどを語る、よりトークに重きを置いた構成へとシフトしました。やすきよの二人は、持ち前のユーモアと鋭いツッコミでカップルの話を盛り上げ、視聴者を引きつけました。

番組の後半では、結婚を控えたカップルに贈られる賞品を決めるゲームコーナーが設けられていました。番組開始からしばらくの間は、前番組から引き継がれたとみられる「愛のハネムーンルーレット」が実施されていましたが、1980年4月からは装いを新たに「夢のスロットマシーン」コーナーが導入されました。

「夢のスロットマシーン」は、旅行券などの具体的な賞品ではなく、スロットの結果によって賞金額が変動するという、よりギャンブル性の高い（もちろん番組内での演出として）企画でした。ゲームのルールは独特で、まず新婦がレバーを引いてスロットリールを回転させ、次に新郎が5つ並んだリールを目押しで止めるという共同作業で行われました。スロットのリールには、トランプのマークであるスペード、ハート、ダイヤ、クラブに加え、横山やすしまたは西川きよしの似顔絵が描かれたマークが配置されていました。この似顔絵マークは「ワイルドカード」として機能し、ポーカーにおけるジョーカーのように他のどのマークの代わりにもなるという特殊な役割を持っていました（ただし、ワイルドカードが出現するのは中央の2番目と4番目のリールのみでした）。

目押しによって停止したリールの絵柄が、ポーカーの役に対応しており、その役に応じて賞金が贈られました。役と賞金の関係は以下の通りでした。

ワン・ペア（例: スペード2枚とその他3枚）: 5万円
ツー・ペア（例: スペード2枚とハート2枚とその他1枚）: 10万円
スリー・カード（例: スペード3枚とその他2枚）: 20万円
フル・ハウス（例: スペード3枚とハート2枚）: 30万円
フォー・カード（例: スペード4枚とその他1枚）: 50万円
フラッシュ（例: 全てスペードなど、同じマーク5枚）: 100万円

この「夢のスロットマシーン」は、新郎の目押し技術やカップルの運によって賞金額が大きく変動するため、番組に新たなドキドキ感と盛り上がりをもたらしました。トーク主体のリニューアルと、このユニークなゲームコーナーの導入により、『やすきよの結婚します！』は一年間にわたって日曜午後の定番バラエティ番組として視聴者に親しまれました。

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