やなぎ女楽

やなぎ女楽（やなぎ めらく）

やなぎ女楽は、1910年8月8日に生まれ、本名を田口亀次とする日本の曲独楽師です。生まれは群馬県館林市で、幼少期から芸事にふれながら育ちました。彼の家系は芝居小屋を営んでいたため、演芸の環境は自然と身近なものでした。

彼は館林中学に在籍していましたが、学業を終えた後に1929年に東京に上京しました。上京後は、著名な落語家である5代目柳亭左楽に入門し、落語の道を歩む決心をしました。しかし、やがてその進路を断念し、曲独楽を独学で習得する道を選びました。

その後、彼は素人演芸会に参加し、そこで彼の才能がプロの目に留まりました。1942年には、東京・本郷の寄席にて「やなぎ女楽」という名義で初めて舞台に立ちました。これを契機に、彼は日本全国を巡りながら、米軍キャンプへの慰問演技も行うなど、その活動を広げていきました。

やなぎ女楽の十八番は「衣紋流し」で、彼の芸術は多くの観客を魅了しました。彼はそのユニークなスタイルで、長年にわたり寄席に出演し、多くの人々に愛されてきました。1965年からは、落語芸術協会に所属し、都内の寄席でも活躍を続けることとなります。

また、やなぎ女楽は日本演芸家連合の副会長、さらには太神楽曲芸協会の会長も務めるなど、その功績は広く認められていました。彼は、貴重な膝替わりの芸人としても知られており、その特異な存在感は他の演者とは一線を画していました。

1997年6月17日、86歳でこの世を去るまで、やなぎ女楽は演芸界に多大な影響を与え続けました。彼の生涯は、芸事にかける情熱と敬意を持った限りない努力の歴史であり、今日の演技者たちへの大きな礎となっています。やなぎ女楽の名は、今後も多くの人々の記憶に残ることでしょう。

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