ゆずのオールナイトニッポン

『ゆずのオールナイトニッポン』：フォークデュオゆずの伝説のラジオ番組

1998年4月から2000年11月にかけて、ニッポン放送で放送された『ゆずのオールナイトニッポン』。フォークデュオ・ゆず（北川悠仁、岩沢厚治）がパーソナリティを務めたこの番組は、深夜ラジオの歴史に刻まれた数々の伝説と、ゆずの自由奔放な魅力を余すことなく伝えています。

番組は、深夜枠での放送からスタートし、その後時間帯を変えながら、リスナーを魅了しました。独特の雰囲気と、ゆずらしいユーモアあふれるトークは、多くのファンを掴んで離しませんでした。また、1998年を皮切りに、数々の特別番組も放送され、その人気は広く知れ渡ることとなりました。2007年には、寺岡呼人や松任谷由実らと共演した『Golden Circleのオールナイトニッポン』も放送され、話題を呼びました。

2009年には『ゆずのオールナイトニッポンGOLD』がスタートし、9年ぶりのレギュラー放送復活を果たすなど、長年に渡り愛され続ける番組となりました。2017年にはデビュー20周年を記念した一夜限りの復活放送、そして2023年にはオールナイトニッポン55周年記念番組の一環として、Creepy Nuts|Creepy_Nutsとのコラボレーションで再び番組が放送され、多くのリスナーを沸かせました。

伝説に残るコーナーの数々

番組を語る上で外せないのが、数々の個性的なコーナーです。

やんのかコラ！シアム（通称：やんコラ）： 北川チームと岩沢チームに分かれ、テーマに沿った意見を発表するコーナー。しかし、実際はテーマとは関係ないトークが展開されることが多く、スタッフによる「ヤラセ」も存在。5連敗すると罰ゲームが待っていました。この罰ゲームは、後述する数々の伝説を生んだ、番組を代表するコーナーです。
21世紀のハイチーズ！： 写真を撮る際の「ハイチーズ」に変わる、笑顔になるフレーズを考えるコーナー。番組終了後も復活特番で必ず行われる人気コーナーでした。
国盗りブギウギ： ゆずの故郷を歌った「岡村ムラムラブギウギ」をもとに、各都道府県の歌を作るコーナー。リスナーからの情報が歌詞となり、生歌で披露されていました。
お別れ間際の路上ライブ（のちにスタジオライブ）： 番組終了間際に屋外で1曲歌うコーナーでしたが、集まったファンが多すぎたため、スタジオ内での演奏に変更されました。
ゆずとセッションしま専科（のちに真夜中のJAM、前略、道の上より）： リスナーと電話を繋ぎ、身の回りの物を楽器にしてゆずと共にセッションするコーナー。
ファイヤー大北田のこれが邪道の生きる道： リスナーの「邪道」な行動を、北川扮するレスラー・大北田厚が評価するコーナー。
北関口宏のジャンプクイズ、岩沢名人のクソゲーあたた診断： 岩沢の知識を活かしたクイズコーナー。
ゆずおた： 普通のお便りを読むコーナー。

伝説の罰ゲーム

「やんコラ」で5連敗した際の罰ゲームは、番組を彩るもう一つの要素でした。
桃乃未琴襲撃、宅配！モーニング娘。、大仁田厚乱入、サヨナラ舟、カラシモンブラン、岩沢ヤラセ謝罪、ホリケンさん家を大掃除、北川悠仁襲撃スペシャル、メライ日記、そしてハガキ職人大運動会など、数々の伝説的な企画が繰り広げられました。これらは、事前に台本が用意されている「ヤラセ」も多く、ゆずとスタッフの演出力、そしてハガキ職人の熱意が凝縮された、番組の真骨頂と言えるでしょう。

番組を彩ったハガキ職人、スタッフ、そして事件

番組には、多くの常連ハガキ職人が存在し、彼らの高度なネタは番組を盛り上げました。また、番組スタッフも個性的で、彼らによる演出も番組の魅力の一つでした。松尾ディレクター出頭事件、夏色事件、ワカバ焼肉ウソつき事件、盛岡事件、トークゲリラ、モーニング娘。狩り、徳島大食い事件、逆VIPツアーなど、放送中に起きた数々の珍事件は、番組の面白さをさらに増幅させました。

1999年には横浜文化体育館で番組イベント「大北田厚選手講演会（引退式）」が開催され、約1000万円の費用をかけた大規模なイベントとなりました。

『ゆずのオールナイトニッポン』は、ゆずとスタッフ、そしてリスナーの三位一体となった、唯一無二のラジオ番組でした。その自由奔放で型にはまらないスタイル、そして数々の伝説は、今もなお語り継がれています。

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