よいこ (雑誌)

よいこ：昭和から平成を駆け抜けた幼児雑誌

1956年、小学館より創刊された幼児向け雑誌「よいこ」。1995年頃、姉妹誌である「めばえ」と「（小学館の）幼稚園」への統合という形でその歴史に幕を閉じました。約40年もの間、多くの幼児たちを魅了し続けた「よいこ」は、どのような雑誌だったのでしょうか。

ターゲットと内容

「よいこ」の主なターゲットは、3歳から幼稚園入園前の幼児でした。誌面は、色鮮やかな絵本や子供たちの好奇心を刺激する図鑑、そして当時人気を博していたテレビアニメや特撮ヒーロー番組の情報で彩られていました。同時期に小学館から発行されていた「（小学館の）幼稚園」が5歳児前後を対象としていたことを考えると、「よいこ」はより低年齢層の幼児に向けた内容だったと言えるでしょう。

掲載作品：時代を彩る人気コンテンツの宝庫

「よいこ」には、数多くのアニメや漫画、特撮作品が掲載されていました。そのラインナップは、まさに昭和から平成初期の日本のアニメ・特撮史を反映していると言えるでしょう。掲載期間は作品によって異なりますが、ここでは代表的な作品を年代別に見ていきましょう。

1960年代:

藤子不二雄作品:「オバケのQ太郎」シリーズ（複数のバージョン掲載）、「パーマン」シリーズなど。これらの作品は、誌面を彩るオリジナル漫画として掲載されていたこともありました。
リカちゃん: 長年にわたり連載され、「よいこ」を代表するコンテンツの一つとなりました。
サザエさん: 国民的アニメ「サザエさん」も「よいこ」を彩りました。朝日新聞とのコラボレーションによって実現した掲載は、当時大きな話題になったことでしょう。

1970年代:

セサミストリート、ドラえもん: 海外作品と日本を代表する国民的アニメの両方が掲載されていた点が興味深いところです。ドラえもんは、1970年代後半から1995年の休刊まで長期に渡り掲載され続けました。
ジャングル黒べえ、キキとララ: 当時の人気アニメが「よいこ」を賑わせました。

1980年代:

様々な人気作品が勢ぞろい: 「怪物くん」「忍者ハットリくん」「あさりちゃん」「ゲームセンターあらし」「それいけ！アンパンマン」など、80年代を代表するアニメや漫画が多数掲載されました。
ゲームブームを反映: 「スーパーマリオ」シリーズなど、ゲーム関連コンテンツも登場し、時代の変化を反映しています。

1990年代:

少女漫画からの参戦: 「愛と勇気のピッグガール とんでぶーりん」など、他誌からの掲載作品も増加しました。これは、対象年齢の上昇や時代の変化を反映していると考えられます。

その他、掲載開始年不明の作品:

「よいこ」には、上記以外にもNHKの教育番組「おかあさんといっしょ」の人形劇や、「鉄腕アトム」シリーズ、「快獣ブースカ」、「宇宙船サジタリウス」、そして多くの東映アニメーション作品など、枚挙に暇がありません。これら作品群は、日本のアニメーション史における重要な一端を担っており、「よいこ」がいかに幅広いコンテンツを取り上げていたかが分かります。さらに、世界名作劇場シリーズなど、子供たちに教養を与える作品も数多く掲載されていました。

休刊

1995年頃、「よいこ」は「めばえ」と「（小学館の）幼稚園」に統合される形で休刊しました。これは、雑誌市場の変化や、幼児向け雑誌の競争激化への対応策であったと考えられます。しかし、「よいこ」が長きに渡り愛されたことは、多くの読者の記憶の中にしっかりと刻まれていることでしょう。

まとめ

「よいこ」は、日本の幼児向け雑誌の歴史において重要な役割を果たした雑誌でした。掲載された作品群は、昭和から平成初期の日本のアニメ・漫画・特撮文化を象徴するものであり、多くの読者にとって、かけがえのない思い出とともに、時代を彩る貴重な記録として記憶されていることでしょう。

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