よんでますよ、アザゼルさん。

作品概要

『よんでますよ、アザゼルさん。』は、日本の漫画家・久保保久による作品で、2007年から2019年まで『イブニング』で連載されていました。物語は、善人とは言い難い人間と性悪な悪魔たちの騒動を描いたギャグ漫画です。連載が終了した後も、短編が2023年に公開されました。また、累計300万部を超える発行部数を誇ります。

内容の特徴

この作品は、可愛らしい外見を持つ悪魔たちが繰り広げる過激な下ネタやグロテスクな描写が特徴のブラック・コメディです。キャラクターたちは一見、マスコットキャラクターのようですが、その実態は非常に皮肉や風刺の効いた展開に彩られています。また、登場人物たちの関係性や、契約によって結びついた悪魔と人間の関係性が物語の中で重要なテーマとなっています。

登場キャラクター

アザゼル 篤史（アザゼルあつし）

本作の主人公で、下級の犬面の悪魔です。常に関西弁で話し、セクハラが趣味の彼は、自分の性槍を大切にせず、要領の悪い性格が顕著です。彼の家族には魔界のハムスターがいます。アザゼルは時折冷酷な一面を見せるものの、意外にも小心者な性格が読み取れ、ギャグ展開ではツッコミ役も果たします。

キヨコ

アザゼルと同族の女性で、彼との関係はセフレのようです。彼女は普段は標準語を使っていますが、感情的になると関西弁に戻ります。アザゼルの運命を心配しつつ、彼を魔王にするために暴力的な手段を用いることにも躊躇がありません。

ベルゼブブ931世

魔界の貴族であり、その外見のユーモラスさとは裏腹に実力者です。彼は食事に対する強いこだわりを持っており、甘いものに対して異常なルールを定めている一方で、穏健派の面も見せています。

サラマンダー 公威

男尊女卑の思想を強く持ち、雌を嫌悪する暴力的な悪魔です。彼の能力は言霊に関連しており、相手の行動理念を根本から変える力を持ちます。

モロク義伸

暴力的な性格を持つ牛に似た悪魔で、アザゼルの幼馴染です。彼は物事を力任せに解決しようとしますが、その直球の性格からかしばしばトラブルに巻き込まれがちです。

アンダイン 恵

人魚に似た悪魔で、恋愛において非常に情熱的です。彼女は相手の姿に変身する能力を持ち、しばしば恋愛に絡むトラブルを引き起こします。

創作背景と影響

久保保久はこの作品を通じて悪魔や人間との模倣や欺瞞の関係を描き出し、また時事問題に対する風刺を盛り込むことで社会への批評的目線を提供しています。アニメ化もされ、放送中はさまざまな過激な表現をそのまま描くことが困難であったため、多少の内容変更が施されました。

この作品は多くの読者に愛され、悪魔を題材にした作品ながらも非常に笑いと皮肉にあふれた内容となっており、今後も進展が期待される作品です。

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