らん・らんバス

南あわじ市のコミュニティバス「らん・らんバス」

はじめに

兵庫県南あわじ市では、高齢化が進む地域社会において、公共交通機関の確保が重要な課題となっています。この課題への対応策として、2006年からコミュニティバス「らん・らんバス」が運行を開始しました。本記事では、「らん・らんバス」の歴史、運行状況、料金体系、路線などを詳細に解説します。

「らん・らんバス」の名称

「らん・らんバス」の名称は、「LAN（Local Area Network）・RUN（走る）」を組み合わせた造語です。地域をネットワークで繋ぎ、走ることを意味しており、地域住民の足として活躍するバスの役割を象徴しています。なお、兵庫県小野市や愛知県東海市にも「らんらんバス」という名称のコミュニティバスがありますが、南あわじ市の「らん・らんバス」とは関連性はありません。

運行開始と歴史

「らん・らんバス」は、2006年4月3日に旧三原町地区で運行を開始しました。当初は淡路交通が運行委託を受けていましたが、その後、みなと観光バス、南あわじ観光タクシーへと委託先が変更されています。運行開始当初は、高齢者などの交通弱者にとって貴重な移動手段として利用され、その後、路線の拡大や車両の更新なども行われ、利用者の利便性向上に努めてきました。

特に2008年には、運行体系の見直しが行われ、運賃体系の変更、一日フリーパス券の発行、路線の拡大などが実施されました。これは、利用者の利便性向上と利用促進を図るための重要な取り組みでした。2013年には、デマンドバスの導入、2015年には「らんちゃん号」の運行開始など、時代の変化や利用者のニーズに対応した運行体制の整備が行われています。

料金体系

「らん・らんバス」の運賃体系は、年齢や障害の有無、居住地などを考慮した多様な料金設定となっています。大人、中高生、小児・身体障害者・75歳以上の南あわじ市民など、利用者の属性に応じて運賃が異なります。また、一日フリーパス券や回数券などの利用も可能です。高齢者や身体障害者への配慮が行き届いた、利用しやすい料金体系となっています。

具体的には、1回乗車は大人300円、中高生・65歳以上200円、小児・身体障害者・75歳以上の南あわじ市民100円です。回数券やフリーパス券も用意されており、利用頻度に合わせてお得に利用できます。さらに、75歳以上の南あわじ市民で身体障害者手帳などを提示すれば、運賃は無料となります。

路線と運行状況

「らん・らんバス」の路線は、番号ではなく愛称が付けられています。中央循環線、南北幹線、東循環線、西循環線、南循環線、北循環線など、地域特性を反映した路線名が付けられています。各路線は、南あわじ市内の主要な施設や集落を網羅しており、地域住民の日常生活を支えています。

各路線は、みなと観光バスと南あわじ観光タクシーが運行を担当しています。利用者の利便性向上のため、各路線の運行状況、車両のメンテナンス、安全運転などの面で、運行会社は常に努力を続けています。

使用車両

「らん・らんバス」で使用されている車両は、路線によって異なります。中央循環線、南北幹線、西循環線など主要路線には、三菱ふそうローザをベースとした路線バス仕様の車両が使用されています。車椅子リフトや収納式ステップを備え、高齢者や身体障害者にも優しい設計になっています。一方、その他の路線には、トヨタハイエースコミューターやハイエースワゴンなどが使用されています。

まとめ

「らん・らんバス」は、南あわじ市の高齢化社会において、地域住民の生活を支える重要な交通手段となっています。運行会社は、利用者の利便性向上のため、路線の整備、車両の更新、料金体系の見直しなど、様々な取り組みを行っています。今後も、地域社会のニーズに応えるべく、更なる発展が期待されます。

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