れいめい

れいめい（INDEX）の概要

れいめい（INDEX：INnovative-technology Demonstration EXperiment）は、日本の宇宙航空研究開発機構が打ち上げた小型技術実証衛星の一号機です。この衛星は、オーロラの観測と最新の衛星技術を実証する目的を持ち、2005年8月24日にカザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられました。光通信実験衛星の「きらり」と共にピギーバック衛星としてドニエプルロケットにより発射されました。

ミッションの目的

れいめいのミッションは主に2つの大きなカテゴリーに分類されます。
1. 工学ミッション: このミッションでは、れいめいに搭載された最新の衛星技術の実証が行われます。具体的には、70kg級の衛星における3軸姿勢制御技術や光ファイバージャイロなどを用いた実験が行われ、短期間での技術実証を目指します。
2. 理学ミッション: オーロラの観測を目的とするこのミッションでは、天文衛星のような大型望遠鏡を必要とせず、小型衛星でも十分な観測が可能です。さらに、若手技術者や科学者のスキル向上を目指すこともこのミッションの一環として位置づけられています。

主要搭載機器

れいめいにはいくつかの先進的な機器が搭載されており、それぞれが特定の機能を持つことでミッションの達成に寄与しています。

• - オーロラ粒子観測器（ESA/ISA）: 荷電粒子の軌道の曲がりを利用し、エネルギー範囲が10eV/qから12,000eV/qの粒子を観測、分析するための装置です。
• - 多波長オーロラカメラ（MAC）: 3組のCCDを用いて3色のオーロラ画像を取得し、オーロラの詳細な観測を可能にします。
• - 新型姿勢制御装置: 複数のセンサーを用いて姿勢を決定します。中でも、「スタートラッカー（STT）」は星の位置から姿勢を決定し、他のセンサーの妨害を受けない条件下で動作します。さらに、「光ファイバージャイロ（FOG）」は、小型かつ耐環境性に優れた姿勢制御を実現します。
• - GPS: れいめいでは改造された小型GPS受信機が搭載され、従来の大型GPS装置よりもコストと重量を大幅に削減しました。
• - 統合化制御ユニット（ICU）: 観測や姿勢制御などの全ての機能がここで制御され、信頼性を高めるために三重多数決処理が用いられています。

実験の成果

れいめいの工学ミッションでは、搭載した機器が軌道上で正常に動作し、先進的な衛星技術の実証が成功しました。理学ミッションにおいてもオーロラの観測が十分に行われ、両方のミッションから重要な成果が得られました。さらに、れいめいが撮影したオーロラの画像はプロジェクトサイトで公開され、広く注目を集めています。

2010年1月には、れいめいプロジェクトが日本航空宇宙学会賞の第19回技術賞を受賞し、その成果の重要性が評価されました。これにより、れいめいは日本の宇宙技術の発展と科学的理解の深化に貢献したのです。

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