ろうそく消し

ろうそく消し（キャンドルスナッファー）

ろうそく消し、またはキャンドルスナッファーは、燃えているろうそくの火を安全かつスマートに消すために用いられる道具です。単に火を吹き消すだけでなく、ロウが飛び散るリスクを軽減し、空間をクリーンに保つ役割も担います。

概要

英語圏では、主に2種類のろうそく消しが知られています。

ハサミ型（キャンドルスナッファー）：2枚の平らな刃を持つハサミのような形状で、燃えているろうそくの芯を挟んで切ることで火を消します。熟練すれば、火を消さずに芯だけを切り取ることも可能です。刃には小さなカップ状の受け皿が付いており、切り取った芯を受け止めます。
傘型（エクティングイッシャー）：持ち手の先に円錐形の小さな傘が付いた形状で、炎を覆うように被せて酸素を遮断し、火を消します。

「キャンドルスナッファー」や「スナッファー」という言葉は、元々「エクティングイッシャー」と呼ばれていた傘型の道具を指すことが多かったようです。

ハサミ型のろうそく消し

ハサミ型のろうそく消しは、ろうそくの芯を切り取ることで火を消す仕組みです。しかし、炭化して自然に曲がる芯が開発されたことで、徐々に使われなくなりました。現代のろうそくは、芯が長くなりすぎないように、余分な芯を燃やし尽くすように設計されているため、頻繁な芯切りは不要となっています。

傘型のろうそく消し

傘型のろうそく消しは、現在でも家庭や教会などで広く使用されています。炎を直接吹き消す代わりに、傘で覆って酸素を遮断することで、煙やロウの飛び散りを最小限に抑えながら安全に火を消すことができます。

日本におけるろうそく消し

歴史的に、日本国内ではハサミ型のキャンドルスナッファーはあまり普及していませんでした。そのため、江戸時代に西洋の文化に触れた知識人の中には、その用途が分からず不思議に思った人もいたようです。

ろうそく消しを使うメリット

安全性の向上：火を吹き消す際に熱いロウが飛び散るのを防ぎ、火傷のリスクを軽減します。
美観の維持：ロウが飛び散らないため、周囲を汚すことがありません。
消火後の煙の抑制：酸素を遮断して消火するため、煙の発生を抑えることができます。

関連項目

ろうそく#使用方法
消火器
Lichtputzer - ろうそくや明かりの番をする職業。昔のろうそくの芯は、燃えるスピードが調整されておらず芯が長くなると煤が出るため、芯を切る必要があった。また消火などの作業も行った。

日々の生活に、安全でスマートなろうそく消しを取り入れてみてはいかがでしょうか。

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