わが生涯は火の如く

橋幸夫のシングル「わが生涯は火の如く」

「わが生涯は火の如く」は、1962年5月20日にレコード会社ビクターからリリースされた橋幸夫の9枚目のシングルです。この楽曲はニュー東映映画「わが生涯は火の如く」の主題歌としても知られています。橋幸夫は1960年7月に「潮来笠」でデビューし、その年に5枚のシングルをリリースしました。この活動の中でも特に目を引くのは、デビューして間もないにもかかわらず、10月から12月の3か月間にわたって毎月新しいシングルをリリースしたことです。

1961年にはシングルのリリース数が11枚に達し、同年の5月には「若い素顔」（VS-497）、さらに「南海の美少年（天草四郎の唄）」（VS-506）と本楽曲「わが生涯は火の如く」をリリースしました。このような充実した活動は、若手アーティストとしては非常に異例と言えるでしょう。

「わが生涯は火の如く」の作詞は佐伯孝夫、作曲は吉田正と、デビュー以来の両者により手がけられました。楽曲は映画の内容に合わせて消防士の勇気と情熱を重厚な音楽で表現しており、B面には「故郷の花はいつでも紅い」という対照的な作品が収録されています。この作品は消防士たちの間で歌われる機会も多く、特に彼らにとって思い入れのある楽曲となっています。

また、B面に収録されている「故郷の花はいつでも紅い」も、同じく佐伯、吉田による作品であり、TBSラジオで放送された「田園ソング」のテーマ曲としても知られています。この曲のメロディーは、当時の若い世代にとって懐かしい思い出の一部として記憶されています。歌詞の中に登場する「淋しゅてならず」という表現について、橋は「佐伯先生の美学だと思います。故意に新旧の言葉を組み合わせているのです」と述べています。

「わが生涯は火の如く」は、発売年の1961年において8万枚を売り上げ、ビクターの年間ヒット賞を受賞するほどの人気を博しました。収録曲は以下の通りです：

• - わが生涯は火の如く

作詞：佐伯孝夫、作・編曲：吉田正

• - 故郷の花はいつでも紅い

作詞：佐伯孝夫、作・編曲：吉田正

初期のLP盤にはこの楽曲が収録されていますが、近年のCDベスト盤では収録されていないことが多いです。ただし、2005年にリリースされた記念アルバム『歌の架け橋～橋幸夫45周年記念～』（VICL-60641～2）や、1993年に発売されたCD-BOX『橋幸夫大全集』（DISC-1）には収録されています。

映画「わが生涯は火の如く」は、橋幸夫が出演していないものの、主題歌として楽曲が使用されました。この映画は1961年6月9日に公開されたもので、上映時間は90分です。楽曲は映画公開の約3週間前にリリースされており、映画と音楽の相乗効果が作品を引き立てています。

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