わさんぼん〜和菓子屋顛末記〜

わさんぼん〜和菓子屋顛末記〜：老舗和菓子屋を舞台にした、甘味嫌いの青年と個性豊かな職人たちの物語

佐藤両々氏による4コマ漫画『わさんぼん〜和菓子屋顛末記〜』は、150年以上の歴史を誇る老舗和菓子屋「桜屋」を舞台に、和菓子職人見習いの望月草太の奮闘を描いた作品です。2009年のゲスト掲載から始まり、『まんがタイム』、『まんがタイムファミリー』、『まんがタイムオリジナル』と連載誌を移しながら、2020年に全6巻で完結を迎えました。

物語の舞台：伝統と温かさ、そして少し変わった「桜屋」

物語の舞台となるのは、古都を思わせる街にある老舗和菓子屋「桜屋」です。作中では地名などが変更されていますが、作者自身もインタビューで「漫画の舞台は京都とは違うキョウトなんです」と語っており、作者の遊び心を感じさせる設定となっています。

「桜屋」は、伝統を守りながらも温かい雰囲気に包まれた場所です。店主である米一、社長である杏、そして二人の子供である萩と牡丹、そして個性的な従業員や常連客など、魅力的な登場人物たちが作品を彩っています。

主人公：甘味嫌いの職人見習い、望月草太

主人公の望月草太は、甘味を苦手とするにも関わらず、和菓子職人という道を歩む青年です。幼少期の体験がきっかけで和菓子の世界に魅せられ、「桜屋」で修行を始めます。

草太は、アホで思ったことをすぐ口に出す、行動力はあるものの少し抜けたところもある、非常に人間味あふれるキャラクターです。しかし、和菓子作りに対する情熱は本物で、柔軟な発想力と器用な手さばきで周囲を驚かせます。

個性豊かな登場人物たち

草太を取り巻く登場人物たちも、それぞれ個性豊かな面々です。「桜屋」の面々は、草太の成長を見守り、時には厳しく、時には優しく彼を導きます。特に、草太が想いを寄せる牡丹や、ライバル意識を持つ萩との関係は物語の重要な軸となっています。

他にも、草太の同期生である柏木明月や、「桜屋」のパート従業員である東希里など、個性的なキャラクターたちが物語を盛り上げます。また、道明寺家の人物たちも、草太や「桜屋」の人々との交流を通じて物語に深みを与えています。

見どころ：和菓子への情熱と人間模様

『わさんぼん〜和菓子屋顛末記〜』は、単なる和菓子作りの物語ではありません。甘味嫌いの青年が和菓子職人として成長していく過程、そして彼を取り巻く人々との温かい人間模様が丁寧に描かれています。

毎回の扉絵に描かれる和菓子、単行本に掲載される作者とプロによる和菓子の写真など、和菓子への愛情が随所に感じられます。また、草太の成長とともに変化していく彼の周りの人間関係も見どころの一つです。

ドラマCD化

人気を博した本作は、2017年と2018年にドラマCD化もされました。豪華声優陣によるキャスト、そして魅力的なシナリオは、漫画とはまた違った楽しみ方を提供します。

まとめ

『わさんぼん〜和菓子屋顛末記〜』は、和菓子、個性的なキャラクター、そして人間模様が織りなす、心温まる4コマ漫画です。甘味嫌いの主人公が和菓子の世界で成長していく姿、そして彼を取り巻く人々との交流は、読者に感動と癒しを与えてくれます。全6巻というコンパクトな作品なので、気軽に読み始めることができるのも魅力の一つです。

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