わたしのすきなひと

『わたしのすきなひと』の魅力

『わたしのすきなひと』は、日本の人気漫画家集団CLAMPが手掛けたアンソロジーコミックで、1993年から1995年にかけて連載されました。この作品は、全12話で構成され、読みきりの短編コミックと短いエッセイが交互に展開されていきます。各話は、心温まる恋愛模様や人間関係の複雑さを描いており、読者に深い感情をもたらします。

構成と特徴

本作は、7ページの読みきりコミックとそれに対応するショートエッセイから成り立っており、漫画の原作は大川七瀬が、作画は猫井椿が担当しています。このような構成により、読者は物語に対する多角的な視点を持つことができます。エッセイでは、登場人物の心理や日常生活の中での思いを深く掘り下げており、単なるストーリーの楽しさだけでなく、感情の豊かさを体験できるのが魅力です。

また、単行本として発行された際には、収録順が一部変更されているものの、物語の流れやテーマ性はしっかりと保たれています。

各話の概要

1. ちがう: 主人公は彼とのケンカを経て、「違う」自分を見せるべく特別な装いで待ち合わせをする。
2. かわいい: 「かわいい」という言葉の定義に惑わされていた彼女が、彼からその言葉を向けられたとき、心が高鳴る。
3. あいたい: 仕事が忙しい彼との距離に不安を抱く主人公。だが、彼が頑張って彼女に会いに来る。
4. としした: OLとして働く主人公が、年下のバイト生から告白され失恋した心を癒される。
5. とつぜん: 無口な上司に好意を抱くようになり、その意外な一面を知ることで恋心が芽生える。
6. いっしょに: 幼少期からの憧れの人との恋を描き、彼の好みを理解することの素晴らしさを感じる。
7. きれい: 大切なデートの準備に奮闘した彼女が、雨の日でも彼に褒められることで自信を取り戻す。
8. ふあん: 不安な気持ちで何度も夢をみる主人公が、現実での出来事を通して安心を得る。
9. ゆうき: 高校生の主人公が告白する勇気を出せずにいたが、バレンタインに一歩を踏み出す。
10. ふつう:2年の付き合いを経て、彼との未来を考え始めた主人公が気づく恋愛の形。
11. はなれる: 遠距離恋愛に不安を抱く主人公だが、彼の真剣な姿勢に安心感を覚える。
12. けっこん: 結婚式当日の主人公が、相手の励ましの言葉で不安を克服する様子を描く。

書誌情報

この作品は、1995年に角川書店から『ヤングロゼコミックスDX』として出版されました。ISBNは4-04-852585-9で、今でも多くのファンに愛されています。『わたしのすきなひと』は、恋愛の多面的な側面を描くことで、読者が共感し、自身の恋愛を振り返るきっかけとなる作品です。

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