アイドルばかりピチカート

アルバム『アイドルばかりピチカート』

『アイドルばかりピチカート』は、2015年4月22日に徳間ジャパンコミュニケーションズから発売された、ピチカート・ファイヴの楽曲をアイドルがカバーしたコンピレーション・アルバムです。この作品は、小西康陽のプロデュースによるものであり、アイドルグループがそれぞれの色を持って楽曲を reinterpret（再解釈）しています。

参加したのは、タワーレコードが運営するアイドル専門レーベルであるT-Palette Recordsに所属する、Negicco、lyrical school、バニラビーンズ、ワンリルキス、アイドルネッサンスの5組のグループです。特にアイドルネッサンスは、今回のグループの中で最も若いメンバーで構成されており、小西康陽は「子供のように歌い上げることで楽曲に新たな魅力が生まれる」と考えましたが、変更があり「大人になりましょう」の代わりに「不景気」が選ばれました。

このアルバムは、ピチカート・ファイヴの楽曲の魅力を再発見させるものとして、多くのリスナーから期待されていました。各楽曲は、小西康陽が作詞・作曲を手掛けており、彼の独特の世界観が再現されています。例えば、アイドルネッサンスの『不景気』や『エアプレイン』などは彼らの声にぴったりとハマり、それぞれのグループのスタイルが強調されています。

タワーレコードとTOWER RECORDS ONLINEでは、このアルバムの購入者に向けてMix CD「『聴かないで』ep」を特典として配布しており、ファンの間で好評を博しました。

また、このアルバムは、RHYMESTERの宇多丸が雑誌『BUBKA』の連載においても取り上げ、特に「野宮真貴ヴォーカル期のピチカート楽曲」としての魅力を評価しています。彼は「旬のアイドルが歌うことで、楽曲に新たな解釈を与える」と述べており、アイドルたちの新しい試みへの期待を表明しました。

収録されている楽曲には、各グループならではの編曲が施されており、たとえば、Negiccoの『ジョリ・バブリ・ラヴリィ』はconnieが編曲を担当し、バニラビーンズの『私のすべて』は新井俊也の手により生まれ変わっています。また、lyrical schoolは『ヒッピー・デイ』をリリースしており、そこには岩渕竜也によるRap Lyricsも加わっています。

さらに、2016年4月には「RECORD STORE DAY JAPAN」に合わせて、JET SET限定盤としてアナログ5枚組の7インチ・ボックスも発売されました。このボックスセットには各グループの楽曲が収録されており、特にジャケットデザインには多屋澄礼によるイラストが用いられており、視覚的な楽しさも提供されています。

『アイドルばかりピチカート』は、元の楽曲に新たな風を吹き込み、アイドルたちが持つ個性をさらに引き出す作品として、大変興味深いアルバムといえるでしょう。音楽ファン、アイドルファンの両方にとって、聴き逃せない一枚です。

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