アイドルを探せ
『アイドルを探せ』は、
吉田まゆみによって
1984年から
1987年にかけて『mimi』で連載された漫画で、個性的なキャラクターたちが住むボロアパート「清和荘」を舞台に、女子短大生・藤谷知香子の生活と恋愛を描写しています。全10巻に及ぶこの作品は、1980年代中頃の
女子大生ブームを背景にし、その時代を反映した内容となっています。
登場人物
藤谷知香子
本作の主人公で、花野女子短大に通う1年生。清和荘での一人暮らしを始め、その生活を通じてさまざまな成長を遂げます。
甘露寺恵
知香子の友人であり、同じ短大の学生。漫画家を目指しており、夢に向かって奮闘しています。
武原千明
清和荘の住人でバスガイドとして働いていますが、
女子大生を装って恋愛相手を探すという一風変わった設定のキャラクターです。
岩田晃佑
知香子が観光ツアーの際に出会った爽やかな青年。彼との関係が知香子の心に新たな風を吹き込みます。
永江淳一
知香子の幼馴染であり、以前は憧れの存在でしたが、現在はプレイボーイとして知られています。彼との関係も物語に影響を与える重要な要素となります。
野々原誠
清和荘の大家の息子で、知香子に対して特別な感情を抱いています。
映画化とドラマ
1987年には映画『アイドルを探せ』が
菊池桃子主演で公開され、彼女が演じる明るい女子短大生の姿を描いています。恋愛の進展の中で、知香子は成長し、自立への一歩を踏み出します。映画は
松竹系で公開され、同時上映には『Let's豪徳寺!』がありました。
また、1985年にはフジテレビで『アイドルを探せ 花の女子寮、潜入㊙初体験!!』としてドラマ化され、アイドルグループ「おかわりシスターズ」が主演を務めました。このドラマは彼女たちの解散をもって特別企画として制作され、多くの人気芸能人が参加しました。
作品の評価
1987年の映画は、日本における
アイドル映画の一つとして位置付けられていますが、
松竹映画の興行成績は厳しいものでした。特に、同時上映された『Let's豪徳寺!』との配収が低迷し、
松竹の経営事情が問われることになりました。若者向けの
アイドル映画であったにもかかわらず、主演の
菊池桃子や
三田寛子のフレッシュさが失われていたために、観客の支持を得ることができなかったと分析されています。
まとめ
『アイドルを探せ』は、漫画から映画、ドラマへと広がり、その人気は1980年代を代表する要素の一つとなりました。個性豊かな登場人物たちと、知香子の成長物語は、今なお多くの世代に愛され続けています。