アイドル防衛隊ハミングバード

アイドル防衛隊ハミングバード

『アイドル防衛隊ハミングバード』は、吉岡平によるライトノベルで、富士見ファンタジア文庫から全2巻が刊行されました。また、1993年から1995年にかけてOVAが制作され、全4巻がリリースされました。この作品は、単なるストーリーにとどまらず、声優たちが実際にアイドルグループとして活動した先駆的なプロジェクトでもあります。彼女たちはコンサートやファンクラブイベントを通じて、アニメの枠を超えたエンターテインメント体験を提供しました。

あらすじ

物語は近未来の日本を舞台に始まります。西暦199X年、日本政府が自衛隊の民営化を発表したものの、民間企業からの参入は望まれませんでした。しかし、芸能界は異なりました。従来の兵器開発と同じように多額の投資が必要でありながら確実性のない分野が、逆転の発想により、新たなアイドルパイロットというジャンルを生み出したのです。

成長するアイドルパイロットたちの中、伝説のパイロットの父と母が経営する小さなプロダクションに所属する5人姉妹からなるアイドルグループ「ハミングバード」が登場します。彼女たちはアイドルパイロットの頂点である「パイロット大賞」を目指し、大手プロダクションからの圧力を受けながらも努力を重ねます。

ハミングバードは、偶然の積み重ねや自己成長によってついにパイロット大賞にノミネートされるまでに至りますが、彼女たちのライバルである「フィーバーガールズ」が国連の平和維持活動中に行方不明になり、その救出のために無許可で出撃します。この行動が影響を与え、結果的に彼女たちはパイロット大賞を逃すことになります。しかし、人気は高まり、東京ドームでの単独コンサートを成功させることで、伝説的なアイドルパイロットとしての地位を確立しました。

登場人物

『アイドル防衛隊ハミングバード』には、さまざまな個性豊かなキャラクターが登場します。主役は、取石プロダクションの社長であり、5人姉妹の母でもある取石葉月です。彼女の娘たちは、各々異なる性格と能力を持っており、ハミングバードの一員として活躍します。姉の神無は冷静で頼りがいのあるリーダーであり、次女の弥生は男勝りでスポーツ万能。四女の卯月はおっとりした性格で、五女の水無は元気で無邪気な役割を果たします。

また、ライバルグループのフィーバーガールズや彼女たちをサポートする工藤俊作、伊集院忍などもストーリーの重要な要素として活躍し、物語に厚みを与えています。

メカニック

物語に登場するメカも大きな魅力の一つです。ハミングバード１号から５号まで、個性的な戦闘機が登場し、それぞれ異なる性能や武装を備えています。特に、ハミングバード１号は高速飛行能力に優れ、主に空中戦での優位性を持つ戦闘機として設定されています。各機体のデザインは、実在する航空機に基づきつつ、アニメらしいアレンジが施されています。

まとめ

『アイドル防衛隊ハミングバード』は、アイドル、軍事、エンターテインメントが交差する新しい形の物語を提供し、アニメと現実の境界を曖昧にする試みを行いました。声優の活動から派生したアイドル文化についても多くの影響を与え、今でも多くのファンに愛され続けています。全体として、エンターテインメントの新たな地平を切り開いた作品と言えるでしょう。

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