アイランドタワースカイクラブ

アイランドタワースカイクラブは、福岡県の県庁所在地である福岡市の博多湾に整備された人工島「アイランドシティ」内に位置する超高層マンション群の名称である。具体的には、同市東区香椎照葉に所在する。独立した3棟のタワー棟から構成されており、特徴的な景観を創出している。

このマンションの最大の特徴は、その独創的な建築構造にある。敷地の中央に配された六角形の区画から放射状に、直方体形状の3棟のタワーが配置されている。それぞれのタワーは、六角形敷地の辺と自身の底面の一辺を共有する形で聳え立つ。さらにユニークなのは、これら3棟が地上から遥か上空、具体的には3箇所で互いに連結されている点である。この連結部分は「空中庭園」としての機能も持ち、居住者にとって開放的な共有空間となっている。この構造は、単に建物を結びつけるだけでなく、視覚的なアクセントとしても機能し、アイランドシティのスカイラインにおいて際立った存在感を放っている。

アイランドタワースカイクラブは、2008年（平成20年）に竣工した。竣工当時、このマンションは福岡県内で最も高い高層建築物であり、その記録は2011年3月4日まで保持された。その革新的なデザインと構造は高く評価され、同年には権威あるグッドデザイン賞を受賞している。事業主および売主は新栄住宅が務めた。

全体で総戸数409戸を擁する大規模な集合住宅である。居住者の利便性や安全性を考慮し、3棟のうち1棟の屋上にはヘリポートが設置されている。これにより、緊急時などの対応も可能となっている。

居住者の多様なニーズに応えるため、アイランドタワースカイクラブには非常に充実した共用施設が整備されている。

低層階（3階）には、エンターテイメントを楽しめるシアタールーム、健康維持のためのフィットネスルーム、読書や学習に利用できるライブラリー、趣味や習い事に適したカルチャールーム、そして子供たちが安全に遊べるキッズルームが設けられている。
高層階（36階）には、来客時に利用できるゲストルーム、開放的な眺望を楽しみながら寛げるスカイクラブラウンジ、本格的な茶会を開ける茶室、大人数での集まりに適したパーティールームが配されている。これらの施設は、特別な日や居住者同士の交流の場として機能する。
* さらに、タワーの各所に合計4箇所のスカイガーデンが設けられている。これらは3階、15階、26階、37階に位置し、緑豊かな空間から福岡の街並みや博多湾の景色を眺めることができる。これらの共用施設は、都市生活の中に豊かさと潤いをもたらす要素となっている。

アイランドタワースカイクラブは、福岡市が進める人工島開発プロジェクトであるアイランドシティの一角に位置している。周辺には、広大な敷地を持つアイランドシティ中央公園があり、自然に触れる機会も豊富である。また、インターネット大学であるサイバー大学のキャンパスも近くに位置している。アイランドシティという新たな都市空間の中で、生活と利便性が両立する環境にあると言える。

アイランドタワースカイクラブは、その革新的な建築デザイン、福岡県で一時最高層を誇った実績、そして居住者の快適性を追求した豊富な共用施設により、アイランドシティ、ひいては福岡市のランドマークの一つとして認知されている。都市部の利便性と人工島ならではの開放感、そして独特の構造が織りなす集合住宅である。

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