アイランドドルフィン

アイランドドルフィンの概要

アイランドドルフィンは、エアーニッポン（ANK）が2000年から羽田 - 八丈島線専用機材として運用したボーイング737-400の愛称です。この機体は、特にイルカのデザインが施された特殊な塗装が特徴で、通常のANAグループの旅客機とは一線を画す存在でした。

機体の導入と運用

このアイランドドルフィン機は、中古機のリースによって導入されたもので、機体登録記号は1号機がJA391K、2号機がJA392Kとして知られています。1号機は2000年の7月1日から実際に羽田 - 八丈島線で運航を開始し、のちに2号機も2001年9月に導入され、1号機と交代で八丈島線でのサービスを提供しました。

1号機はその後、運航場所を福岡空港に移し、福岡 - 対馬、福江、小松線および小松 - 鹿児島線などで運航されました。一方、2号機は八丈島線に特化して運航が行われました。

塗装デザイン

「アイランドドルフィン」の印象的な部分は、そのユニークなデザインです。水色の胴体前部に大きなイルカが描かれ、胴体後部から垂直尾翼にかけては小さなイルカや風船の絵があしらわれていました。このデザインは、ANKが1995年から運用した737-500「スーパードルフィン」のエンジンカウルに描かれていたイルカのデザインを引き継いでいます。JA391KとJA392Kでは垂直尾翼のデザインに違いがあり、JA391KにだけANKのロゴが含まれていました。

運航の終了とその後

アイランドドルフィンとしての運航は、2005年4月にJA391Kが、2006年1月にはJA392Kが北海道国際航空（現・AIRDO）にサブリースされたことにより終了しました。その後、二つの機体は羽田と北海道を結ぶ路線で再び運航されることになり、JA391Kは「あさひかわ」、JA392Kは「知床」として知られるようになりました。

また、両機はその後スカイネットアジア航空（現在のソラシドエア）にサブリースされたものの、JA391Kは2012年4月に、JA392Kは2014年10月にそれぞれ登録を抹消されました。

それぞれの機体の歴史

アイランドドルフィンの2機はいずれも複雑な履歴を持っています。

1号機（JA391K）

• - 737-4Y0型式
• - 1990年にフーツラ航空に納入され、当初はEC-ETBの登録をしていた。
• - 1998年からAB航空にリースされ、G-OABEに。
• - 1999年にフーツラ航空に返却された後，別のリース会社に渡り、N545NKとしてリースされる。
• - 2000年にエアーニッポンにリースされ、JA391Kとなる。
• - その後、北海道国際航空にサブリースされのちにスカイネットアジア航空に変更。
• - 最終的には登録抹消され、部品取り機として利用される。

2号機（JA392K）

• - 737-46M型式
• - 1997年にヴァージン・エクスプレスに納入され、OO-VEDとして使用された。
• - その後、エアトランザットにリース、いくつかのリース会社を経てJA392Kとしてエアーニッポンに導入された。
• - 2006年以降はJA391Kと同様に運航され、最終的には登録が抹消された後に不明の所有者に渡った。現在はアラブ首長国連邦の航空会社での運用が確認されています。

このように、アイランドドルフィンは日本の航空史の中で特別な地位を持つ機体でした。そのユニークなデザインと長い運航の歴史は、多くの航空ファンに記憶されています。

もう一度検索