アウディ・R18

アウディ・R18について

アウディ・R18は、同社が2011年に投入したプロトタイプレーシングカーで、前モデルであるR15 TDIの技術を継承しつつ、さらなる改良が加えられたマシンです。このR18は、初めてル・マン24時間レースに出場し、その後数年間にわたり、レース界における強力な存在感を示しました。

R18 TDI

アウディは2010年12月にエンジンの新しい規定に応じてR18 TDIを発表しました。このマシンの特筆すべき点は、かつてのオープンボディデザインからクローズドボディに変更されている点です。これにより、空気抵抗を抑えつつパフォーマンスが向上しました。エンジンも5.5L V10から3.7L V6へとスケールダウンし、効果的な空力設計と相まって、全体的な性能が向上したとアウディは発表しています。また、操縦席のハンドル位置が左から右へ変更されたことも注目されます。また、最新のLEDヘッドランプを初めて使用し、夜間走行にも対応できる光量を提供しました。これにより、ドライバーはより安心して走行可能となりました。

R18 ウルトラ

次のモデルであるR18 ウルトラは、さらなる軽量化と高性能を追求したバージョンです。このマシンは、アウディの軽量化技術「ウルトラ」を採用し、CFRP製のギアボックスケーシングを利用することで、前のモデルより約10%軽量化されました。さらに、フロントサスペンションと空力性能が見直され、多くの新しい技術が搭載されています。また、LMP1カーとして初のデジタルリアビューミラーを使用することで、視界の改善にも寄与しました。

R18 e-tron クワトロ

2012年から2014年まで使用されたR18 e-tron クワトロは、アウディのハイブリッド技術が誇るモデルです。ディーゼルエンジンが後輪を駆動し、前輪は電動モーターによって駆動されます。このシステムは、制動時に回生されたエネルギーをフライホイールに貯め、それを前輪駆動に利用します。エンジン出力や電動モーター出力は高性能を維持しつつ、環境への配慮も兼ね備えた設計となっています。

戦績

アウディ・R18は、数々のレースで輝かしい成績を収めています。2011年のル・マン24時間レースでは、ドライバーたちの活躍により、アウディは総合優勝を果たしました。2012年は改良型のモデルで連勝し、ル・マンではハイブリッド車として初優勝を飾りました。

2013年と2014年もR18 e-tron クワトロが連勝を重ね、特に2013年のル・マンでは、悪天候の中を乗り越えて高いパフォーマンスを発揮しました。これらの成果はアウディの持つ技術力とレーシング精神の集大成を示しています。

まとめ

アウディ・R18は、プロトタイプカーとしての革新性と優れたパフォーマンスを兼ね備えたモデルであり、近年のレース界において不動の地位を築いています。技術革新と戦績は、アウディがモータースポーツにおいても魅力的な存在であることを証明しています。

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