アウトサイドヒッター

アウトサイドヒッターについて



アウトサイドヒッター(Outside Hitter)はバレーボールにおいて非常に重要なポジションを担う選手です。この役割を持つ選手は、主にコートの左右からスパイクを打つことに特化しています。一般的に、アウトサイドヒッターは高めのオープントスや平行トス、さらに時間差攻撃やセミクイックにおいても活躍する選手です。必要に応じてバックアタックを行うこともでき、彼らのプレーは多様性に富んでいます。

歴史的背景と呼称の変遷


近年、日本バレーボール協会は用語の統一を図り、かつてはレフトまたはライトと呼ばれていたポジションに対して「アウトサイドヒッター」と名付けることになりました。かつてはウイングスパイカー(WS)と呼ばれていましたが、公式な場ではアウトサイドヒッターが主に用いられています。このポジションは通常、セッターの対角に入ることが多く、攻撃を担当する2名の選手を指して言うことが一般的です。アウトサイドヒッターは、特にレフト側からの攻撃を重視し、時には「エースアタッカー」とも称されることがあります。

フォーメーションと役割


バレーボールの試合で多くのチームが取るフォーメーションでは、セッターがライト側にポジショニングすることが普通です。このため、アウトサイドヒッターは主にレフト側に配置されます。一般的に、レフトには右利きの選手が、ライトには左利きの選手が多数配置される傾向があります。これにより、攻撃の際に効果的なプレーが可能となります。

スパイクのテンポ


近年、アウトサイドヒッターのスパイク攻撃は速いテンポに進化しています。従来のオープントスは「サードテンポ」と称される攻撃スタイルに基づいており、トスが上がった後に助走を始める方法でした。しかし、最近はこのテンポがやや早まってセカンドテンポが主流となっています。このスタイルではトスアップ前に助走を開始し、より迅速な攻撃が可能になります。さらに、極めて速い平行トスや低いセミクイックは「ファーストテンポ」と分類されることがあります。

バックアタックの役割


1976年のモントリオールオリンピックで初めて導入されたバックアタックは、後衛の選手がアタックラインの後ろからスパイクを放つ方法です。これにより、前方へと大きく飛び上がる攻撃が可能になります。特にモントリオール以降、日本では特に男子バレーボールにおいてこのスキルが取り入れられるようになりました。現在では、アウトサイドヒッターがこの技術を身につけることが求められています。

サーブレシーブにおける役割


かつては、サーブレシーブは全てのスパイカーによって行われていましたが、近年は3名の選手による分業が行われる傾向にあります。2名のアウトサイドヒッターとリベロがこの役割を担うことが一般的です。このような背景から、アウトサイドヒッターにはスパイクだけでなく高いサーブレシーブ能力も求められるようになりました。サーブレシーブ後に攻撃体制に入る必要があるため、常にスパイクに備えなければなりません。

アウトサイドヒッターはただスパイクを打つ選手ではなく、ゲーム全体を通じて多様に活躍する選手です。彼らのスキルの高さと役割の重要性は、バレーボールの戦術において欠かせない要素となっています。

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