アウトストラーダ A1 (ポーランド)

アウトストラーダA1：ポーランドを縦断する高速道路

アウトストラーダA1は、ポーランドを南北に結ぶ重要な高速道路であり、グダンスク近郊からチェコとの国境付近までを結んでいます。この路線は、チェコの高速道路D1号線に接続し、ウッチ北部でA2号線、グリヴィツェ南東でA4号線と接続しています。

概要

ドイツとの国境付近を走るA3号線がS3号線に格下げされたため、A1号線はポーランドで唯一の南北を縦断する高速道路規格の路線となりました。グダンスクからトルン、ウッチといった主要都市を経由し、南部の工業地帯を通りチェコへと至るルートは、ポーランドの中央部を走る交通の大動脈です。欧州自動車道路E75号線の一部であり、「琥珀の高速道路」とも呼ばれています。

総延長は567kmを予定していますが、2015年3月時点で一部区間が未完成であり、有料区間も存在します。

歴史

A1号線の建設は、1960年代にヨーロッパ縦貫道路の一環として計画されました。1978年に建設が開始され、1989年に最初の区間（トゥシン－ピョートルクフ・トルィブナルスキ間、約17.5km）が開通しました。

2005年、グダンスク・トランスポート・カンパニーがルソチンからノヴェ・マジまでの区間の建設を開始し、2008年に開通。さらに南のトルンへ向かう区間は2011年に開通しました。A4号線と接続するグリヴィツェ・ソシニツァ以南のチェコ国境までの区間は、2014年に全線開通しています。

しかし、建設には遅延も多く発生しました。2009年には、シフィエルクラヌィ－ゴジチュキ間の工事遅延を理由に、ポーランド政府がAlpine Bau GmbH社との契約を解除。その後、同社が再度落札し工事を再開しましたが、完成予定は遅れ、最終的に同社は工事から撤退しました。また、ストルィクフ（A2号線と接続）－プィジョヴィツェ間の区間も建設業者の変更などを経て、完成が遅れています。

経済と政治

A1号線は、グダンスクをはじめとするバルト海沿岸の港湾都市とポーランド中部・南部を結ぶ重要な路線であり、ポーランド経済にとって非常に重要です。そのため、A1号線の建設進捗は政治的な関心事となっています。1989年の民主化以降、歴代の政府や政党が建設促進をサポートしてきましたが、資金難により度々中断・延期されてきました。2006年には、ヤロスワフ・カチンスキ政権がA1号線を2010年までに完成させるべく政府が積極的に関与することを発表しています。

2015年3月現在、全線開通は2017年の予定です。

関連事項

アウトストラーダ (ポーランド)
ポーランド国道・高速道路総局
グダンスク・トランスポート・カンパニー
E75号線

外部リンク

ポーランド国道・高速道路総局 (ポーランド語、英語)
AmberOne (ポーランド語、英語) - A1号線の一部有料区間を建設・管理するグダンスク・トランスポート・カンパニーの公式サイト
首都圏輸送統合協会 (ポーランド語、英語) - NPO団体
conadrogach.com (ポーランド語) - 各種道路情報の提供サービス

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