アウトバーン 6

アウトバーン6号線（A6）解説：ドイツを横断する主要高速道路

アウトバーン6号線（Bundesautobahn 6、BAB 6またはA 6）は、ドイツを東西に横断する重要な高速道路です。ザールブリュッケン付近のフランス国境から、ヴァイトハウス付近のチェコ国境まで、全長484kmに及びます。

概要

A6は、パリとプラハを結ぶ国際道路E50号線の一部であり、ドイツ南部を横断する主要な交通路として機能しています。ザールラント州を横断し、州都ザールブリュッケンを経由した後、A8と交差。ラインラント＝プファルツ州南部を横断し、バーデン＝ヴュルテンベルク州とヘッセン州の州境付近で南北方向に進路を変え、A5に沿って走ります（フィルンハイムJCTとヴァルドルフJCTの間）。ハイデルベルク南部付近でA5と交差した後、再び東西方向に進路を変え、バーデン＝ヴュルテンベルク州とバイエルン州の北部を横断。フォイヒトヴァンゲン付近でA7と、ニュルンベルク付近でA3とA9と交差します。その後、オーバープファルツ地方を横断し、ヴァイトハウス付近でチェコに入ります。

特筆すべきは、シュヴェービッシュ＝ハル付近に位置する、高さ185mのドイツで最も高い渓谷横断橋です。これはA6本線上にあり、圧巻の景観を誇ります。

歴史

A6の歴史は古く、ニュルンベルクとプラハを結ぶ道は14世紀にカール4世によって「帝国道路」として指定されました。現在のA6は、この旧帝国道路に沿って建設されたため、ニュルンベルクより東の区間は「Via Carolina」と呼ばれることがあります。この名称は、A6だけでなく、同じ歴史的な道路に沿う連邦道路14号線にも用いられることがあります。

建設の歴史

1935年 - 1955年: A6の最も古い区間は、フィルンハイムJCTからマンハイムJCTまでの区間で、1935年に開通しました。これは、ハンブルク－フランクフルト－バーゼル線（現在のA7北半分とA5に相当）の一部として建設されたものです。その後、フィルンハイムJCTより西の区間の建設が始まりましたが、1940年12月にはライン川を跨ぐ建設中の橋が崩壊し、30人の作業員が犠牲になる事故が発生しました。第二次世界大戦の影響もあり、工事は中断されましたが、当該の橋は1953年に完成しました。
カイザースラウテルン付近の区間は1936年に開通。これはラントシュトゥールからフランケンタールまでの区間において最も古い部分です。当該区間は1941年に全線開通しました。第二次世界大戦中、ラントシュトゥールとカイザースラウテルンの間の区間の一部は、ドイツ空軍の飛行場として再整備され、戦後は米軍が利用することになりました。現在、この場所はラムシュタイン米軍基地構内にあり、そのため、アウトバーンは1950年代前半に新たな路線で再建されました。1955年までには、このアウトバーンはフランスの保護領であったザールラントの国境付近まで建設されました。
ハイルブロンとニュルンベルクを結ぶ区間は1935年から計画され、1938年に建設が始まりましたが、1941年から戦争のため中断されました。工事停止までに、シュヴァーバッハとニュルンベルクの間の部分のみが完成しました。
1955年 - 1969年: ザールラントが1957年にドイツの州になってから、A6の同州を横断する区間の建設が始まりました。フランスの国境までの区間は1969年に開通し、A6は国際道路となりました。ザールブリュッケンより東の区間は1963年に既に開通していました。マンハイムからハイルブロンまでの区間は1960年代に建設され、ホッケンハイム付近でA6がホッケンハイムリンクと交差するようになったため、サーキットの改修が必要となりました。改修は1966年に完了し、A6は現在サーキットのすぐ隣を走っています。
1970年代: ハイルブロンからシュヴァーバッハまでの区間の建設は1966年から再開されました。当該路線の最も困難な点は、コッハー川とヤークスト川の渓谷を横断することでした。コッハータールブリュッケの完成により、該当区間は1979年に開通しました。1970年代には、ニュルンベルクより東の区間の建設も推進され、1979年までにニュルンベルクとアンベルクを結ぶ区間が完成しました。
1997年 - 2008年: アンベルクより東の区間は1997年から建設されました。1999年にはヴァイトハウスから国境までの部分が開通し、その後、オーバープファルツJCTまでの区間は2005年に開通し、A93をチェコと結ぶ路線となりました。アンベルクからオーバープファルツJCTまでの区間は2004年6月から建設され、2008年9月10日に開通しました。

A6は、ドイツの交通網において重要な役割を果たしており、経済活動や観光に大きく貢献しています。その歴史と進化は、ドイツの発展と密接に結びついています。

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