アウト・オブ・バウンズ

アウト・オブ・バウンズ（out of bounds）とは

「アウト・オブ・バウンズ」は、主にバスケットボールやサッカー、アメリカンフットボール、アルティメットなど、定められたコートやフィールド内で競技を行う多くのスポーツで用いられる言葉です。これは、プレーが許可されている範囲、すなわちコートやフィールドの「外側」の領域を指します。

語源は英語で「境界」や「制限」を意味する「bounds」で、直訳すると「境界から離れた外側」となります。この用語に対し、プレーが許される範囲内を「イン・バウンズ（in bounds）」と呼びます。

競技によっては略称で呼ばれることもあり、例えばゴルフでは「OB」と略されるのが一般的です。また、野球においてファウルグラウンドを指してこの言葉が使われる場合もあります。

競技による「アウト・オブ・バウンズ」の扱い

「アウト・オブ・バウンズ」と見なされる状況や、そこからのプレー再開方法、あるいはペナルティの有無などは、競技の種類によって細かなルールが異なります。主な競技における違いを見てみましょう。

サッカー

サッカーにおいて、コートを囲むライン（タッチライン、ゴールライン）はフィールドの一部と見なされます。そのため、ボールがこれらのラインを完全に超えた場合に「アウト・オブ・バウンズ」（スローインまたはゴールキック、コーナーキックで再開）となります。ボールが空中にある場合も、ラインを垂直に超えればアウトです。選手の体の一部や全体がラインの外にあっても、ボールがラインの内側にあればプレーは継続されます。選手自身はラインの外に出ても問題ありません。

バスケットボール

バスケットボールでは、コートの境界を示すラインはイン・バウンズには含まれません。サイドラインやエンドラインにボールや選手が触れた時点で「アウト・オブ・バウンズ」となります。ライン上でのボールキャッチはアウトです。空中のボールがラインの垂直面を越えても、その後イン・バウンズ内の選手やコートに触れればインプレーと見なされます。選手はラインの外でプレーすることも可能ですが、ボールを保持している選手がアウト・オブ・バウンズになったり、アウト・オブ・バウンズの選手がボールに触れたりした場合、プレーは中断されます。例えば、ボールに触れている選手がイン・バウンズ内に接していない場合、最後の接地点がイン・バウンズでなければアウトです。ドリブル中の選手がアウトになった場合、たとえボールがライン内にあってもドリブルは継続できません（ただし、ライン内の味方選手がボールに触れることは可能です）。フリースローや3ポイントシュートの際、ラインに触れた位置からのシュートは認められません（フリースローラインに触れた場合はバイオレーション、3ポイントラインの場合は2ポイントシュート）。バックボードの裏面や支持体もアウト・オブ・バウンズの領域と見なされます。

アルティメット

アルティメットもバスケットボールと同様に、ラインはイン・バウンズに含まれません。ライン上でのディスクキャッチはアウトです。空中のディスクがラインの垂直面を越えても、イン・バウンズ内の選手や地面に触れればインプレーとなります。ただし、オフェンス側の選手はアウト・オブ・バウンズの位置でプレーすることはできません。ディスクに触れている選手がイン・バウンズに触れていない場合、バスケットボールと同様のルールが適用されます。

アメリカンフットボール

アメリカンフットボールでも境界線はフィールドに含まれません。ライン上でのパスキャッチはインコンプリートとなります。ボールを持った選手（ボールキャリア）がラインを踏んだ時点でプレーは終了します（ボールデッド）。オフェンスの選手が一度アウト・オブ・バウンズに出た場合、ディフェンス側の選手がボールに触れるまでプレーに参加することはできません。パスをキャッチした選手は、キャッチ時にイン・バウンズ内に足が触れているか、キャッチ後にイン・バウンズに着地しなければパスは不成立（インコンプリート）となります。

アイスホッケー

アイスホッケーでは、パックがリンクを囲むフェンスを超えて外に出た場合に「アウト・オブ・バウンズ」となり、レフェリーのホイッスルでプレーが中断し、ゲームクロックも停止します。意図的にパックをリンク外に出した場合や、他の選手と絡まずフリーの状態からパックを外に出した場合などは、「ディレイ・オブ・ザ・ゲーム」（遅延行為）としてペナルティが科され、該当選手が2分間の退場処分となることがあります。プレーはパックが出た地点に近いフェイスオフスポットからのフェイスオフで再開されます。

ゴルフ

ゴルフにおける「OB」（アウト・オブ・バウンズ）は、白い杭などで示されたプレー禁止区域や、林の奥深くに打ち込んで次のショットが困難または不可能な場所、あるいは池や崖下に落ちて回収・プレーできない場所などを指します。ボールがOBとなった場合はペナルティが科され、原則として1打罰を加えて、OBとなった地点に近い場所から打ち直すか、特定の規則に従ってプレーを再開します。

このように、「アウト・オブ・バウンズ」は多くの競技に共通する概念ですが、その定義や適用されるルールは競技の特性に応じて多岐にわたります。各競技のルールを理解する上で、この「プレー範囲外」を示す概念は非常に重要です。