アウト屋

アウト屋（アウトや）についての解説

競艇における「アウト屋」とは、選手が主に6コースを選択し、レースに参加するスタイルを持つことを指します。このような選手は競艇の一般的な戦略とは異なり、あえて不利な位置から挑戦することで知られています。アウト屋という言葉の反対は「イン屋」で、一般的にはインコースやカド（内側のコースでのダッシュスタート）を選ぶことが勝率を高めるための常識とされています。

アウト屋の特異性と人気

競艇のコース取りにおいて、イン側から取る1～4コースの選手が勝つ可能性が高いとされている中、アウト側の6コースに進む選手の勝率は平均4～5%程度で、特に厳しい競艇場ではこの数字が8.5%に達してもなお不利です。この不利なコース選択を好むアウト屋は、競艇ファンの間で特に熱い支持を受けることがあります。例えば、阿波勝哉選手はその大胆なスタイルで知られ、地元の平和島競艇場では彼専用のサンドウィッチや丼が販売されるほどの人気を誇ります。

2011年には、アウト屋の選手を集めた特別なレース「真夏のダッシュ島！グランプリ～アウト屋からの挑戦状～」が開催され、阿波選手が見事に優勝しました。この大会では、参加した他のアウト屋選手も好成績を収め、多くの注目を集めたことが話題となりました。6コースからの勝利が14回に達したことは、こうした選手たちの実力を証明するものでした。

アウト屋になる理由

選手がアウト屋として活動するきっかけはさまざまです。たとえば、新人時代からアウトコースを選ぶことが暗黙の了解となり、そのスタイルが定着したり、強いスタート勘を活かす選手もいます。また、先輩や後輩との人間関係、過去の貸し借りなどが絡む競艇界では、インスタートを狙うための複雑な駆け引きが求められます。その点、アウトスタート専門の選手は、そうした駆け引きから解放され、コース取りに気を取られることなくスタートタイミングに集中できる利点があります。

しかし、アウト屋の選手はプロペラの調整において通常の選手とは異なる場合が多く、2012年以降にはオーナープロペラ制が導入されたため、その調整が難しくなりました。この結果、競技結果において不利になり、アウト屋を卒業する選手も見られるようになりました。

主なアウト屋選手

阿波勝哉
小川晃司
能登屋亮一（引退）
吉岡修（引退）
澤大介（アウト屋引退を宣言）
向義行（引退）
後藤道也（引退）
盛本真輔（現在はアウト屋をやめている）
* 堀之内紀代子

このように、アウト屋は一つの独自の文化として競艇界で存在感を示しており、挑戦する姿勢が多くのファンに愛されているのです。

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