アエロニアン

アエロニアンについて

アエロニアン（Aeronian）とは、国際層序委員会によって定義された地質学の用語であり、シルル紀における地質時代名の一つです。具体的には、約4億4080万年前から4億3850万年前にかけての期間を指しています。この時代はシルル紀のランドベリ世を三分した中期にあたります。アエロニアンの前期にはラッダニアンがあり、後期にはテリチアンがあります。また、アエロニアンは日本語では「アエロン期」とも呼ばれます。

GSSP（国際標準模式層断面及び地点）

アエロニアンの国際標準模式層断面（GSSP）は、イギリス・ウェールズのCwm-coed-Aeronファームの北500メートルの場所、Trefawr Trackに位置しています。このGSSPは、Trefawr累層と呼ばれるなだらかに傾斜したブロック状の泥岩の中に存在します。Trefawr累層は、貝殻のような多様な動物相を持つことで知られ、また複数の群集帯を認めるためのフデイシ化石が豊富に産出されています。これにより、アエロニアンの地質特性や生物の多様性についての理解が深まっています。

日本におけるアエロニアンの研究

日本においてもアエロニアンに関する重要なデータが報告されています。具体的には、南ウラルで発見されたHaplotaeniatum tegimentumという放散虫群集が、最前期のアエロニアンから中期テリチアンの間の指標とされています。また、福井県大野市の野尻から影路にかけて分布する飛騨外縁帯の影路累層からは、この放散虫群集と対比できる化石が出土しています。これにより影路累層も同様の時代に属する地層であると考えられています。

このように、アエロニアンはシルル紀の中期に関する重要な地層であり、様々な生物化石が確認されることで、その時代の生態系を知る手がかりとなっています。また、国際的な基準であるGSSPによって、アエロニアンの位置づけも明確になっており、研究や教育において貴重な情報源となっています。歴史的な地球環境の変動や生物の進化を理解する上で、アエロニアンに関する知識は不可欠です。

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