アオーラ・マドリード

アオーラ・マドリード：スペインの市民運動から生まれた政党

アオーラ・マドリード（スペイン語: Ahora Madrid）は、2015年のマドリード自治体選挙において、市政への参画を目標として設立されたスペインの政党です。自らを「人民統一市民候補」と定義し、「有機的生命を持たない道具としての政党」というユニークな立ち位置を表明しました。

設立の背景

アオーラ・マドリードの設立は、ポデーモスと、グアニェム・バルセロナに着想を得た選挙プラットフォームであるガネーモス・マドリードとの間の協定がきっかけでした。この協定には、他の政党や個人の参加も含まれていました。ガネーモス・マドリードは、個々の市民、団体、政党、運動体などが合流する、自発的で水平的な市民の合議制組織として誕生しました。

2014年6月28日に「ムニシパリア」という名称で設立された後、アダ・クラウによって設立されたグアニェム・バルセロナとの相乗効果を追求するため、ガネーモス・マドリードに名称を変更しました。ただし、両者の間には直接的な関係はありません。

2014年11月4日に市民団体として公表され、翌年の自治体選挙への参戦を目指し、2か月以内に30,000人の署名を集める目標を掲げました。12月末には目標を上回る署名が集まり、市民の期待の高さが伺えました。

2015年1月29日、ガネーモス・マドリードとポデーモスは、自治体選挙に臨むための「道具としての政党」として合流することを決定しました。当初、統一左翼（IU）は政党の選挙連合体として、ポデーモスは有権者の集合体として選挙に臨むことを模索していました。

3月6日には、市民運動、個人協力者、政党などが結集するための政党として、アオーラ・マドリードが正式に発表されました。3月9日には候補者選出のための予備選挙が開始されました。この過程で、マドリード統一左翼（IUCM）の執行部は、予備選挙での立候補予定者を支持するメンバーが不参加であった統一左翼（IU）の大会において、全国執行部が一人の女性候補者を承認しないとの発表の後、アオーラ・マドリードに対して選挙では自分たちの候補者を擁立する意向を伝えました。

3月30日、オンラインで15,000人が参加した予備選挙の結果が公表され、マヌエラ・カルメーナが圧倒的な支持を得て市長候補に選出されました。また、マドリードの住民団体連合会の元会長であるナチョ・ムルギが名簿第2位に、イネス・サバネス（Equo）が第3位に、マウリシオ・バリエンテ（IU）が第4位に、リタ・マエストレ（Podemos）が第5位に、パブロ・カルモーナ（ガネーモス・マドリード）が第6位に、マルタ・イゲーラス（元バスク州政府司法局長）が第7位に選出されました。

綱領の作成は全ての市民に開かれ、多くの提案が最終的な綱領案に盛り込まれました。予備選挙と同時に、「自治体政府が最初の100日間で実施」すべき綱領の中身についての優先順位が選択され、投票が行われました。選挙では、マドリード共産党やConvocatoria por Madrid、Por Un Mundo Más Justoなどの他の政党からの支持も集めました。

2015年自治体選挙の結果

2015年5月24日に行われた自治体選挙では、アオーラ・マドリードは20議席を獲得し、第1党となった国民党の21議席に次ぐ第2党となりました。この結果、候補者名簿筆頭のマヌエラ・カルメーナ・カストリージョは、首長指名選挙で多数票を得て、マドリード市長に就任しました。

選出された20人の議員のうち、8人がポデーモス、5人がマドリード統一左翼（後に統一左翼を脱退し、3人が統一左翼に復帰）、3人がガネーモス・マドリード、3人が無所属、1人がEquoの所属でした。

ギジェルモ・サパータ問題

アオーラ・マドリードのマヌエラ・カルメーナが市長に指名された数時間後、文化・スポーツ担当職に任命されたギジェルモ・サパータが過去にTwitterに投稿したブラックユーモアがメディアに取り上げられ、大きな議論を呼びました。その内容は、マドリード議会の野党やスペインのユダヤ人コミュニティーから侮蔑的であると批判され、辞任を要求されました。その後、サパータは文化・スポーツ担当職を辞任しましたが、フエンカラル＝エル・パルド区選出議員としてマドリード市政府内に留まりました。

関連項目

バルセロナ・アン・クムー
2015年スペイン地方自治体選挙

外部リンク

Web Oficial Ahora Madrid
Twitter Ahora Madrid
Facebook Ahora Madrid
Programa Ahora Madrid

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