アカデミー国際長編映画賞メキシコ代表作品の一覧

メキシコとアカデミー国際長編映画賞

アメリカ合衆国の映画芸術科学アカデミー（AMPAS）が主催するアカデミー賞には、米国以外の国で製作され、主要な会話が英語以外で占められた長編映画を対象とする「国際長編映画賞」部門が設けられています。この部門は1956年度に「外国語映画賞」として創設され、後に現在の名称に改称されました。メキシコは、この権威ある賞に1957年に初めて自国の代表作品を送り出しました。

出品と実績の歴史

メキシコは長年にわたり、積極的に国際長編映画賞に作品を応募してきました。2018年度までの累計では、実に52本の映画が出品されています。その努力は実を結び、これまでに9度のノミネートを達成しています。そして、長年の挑戦の末、2018年度にはアルフォンソ・キュアロン監督の傑作『ROMA/ローマ|ROMA_ローマ』が、メキシコ映画として初めて、この部門での栄冠を獲得しました。

特筆すべき関係者と作品

メキシコ映画界において、最も多く同賞の代表監督に選ばれているのはアルトゥーロ・リプスタイン監督です。彼はこれまでに5作品を送り出していますが、残念ながらまだノミネートには至っていません。一方、前述の『ROMA/ローマ|ROMA_ローマ』は、メキシコに初の受賞をもたらしただけでなく、作品の一部にスペイン語だけでなくミシュテカ語が使用されている点も注目されました。また、2007年度に出品されたカルロス・レイガダス監督の『静かな光』は、メノナイト低地ドイツ語の作品であり、メキシコの多様な文化と言語が映画作品にも反映されていることを示しています。

国内および国際的な選考プロセス

アカデミー国際長編映画賞にメキシコを代表する作品を選出するのは、メキシコ国内の公的な映画機関であるメキシコ映画芸術科学アカデミーです。このアカデミーは、アカデミー賞の代表作品の選定に加え、スペインのゴヤ賞など、他の主要な国際映画賞の代表作も決定する役割を担っています。
一方、AMPASでは、各国から応募された作品を専門の委員会が審査します。この委員会は、応募作品全てを評価し、厳正な管理のもとで選考プロセスを進めます。その後、委員会メンバーによる秘密投票によって、最終的にノミネートされる5作品が決定されます。

言語の多様性

メキシコの出品作品の多くは、公用語であるスペイン語の映画ですが、前述のように、メノナイト低地ドイツ語やミシュテカ語など、スペイン語以外の言語で描かれた作品も国際舞台に送り出されています。これは、メキシコの多層的な文化と、多様な言語が息づく国内の状況を反映していると言えるでしょう。メキシコ映画は、その豊かな表現力と多様な題材をもって、世界の観客に訴えかけ続けています。

もう一度検索