アカデミー長編アニメ映画賞

アカデミー長編アニメ賞

アカデミー長編アニメ賞（Academy Award for Best Animated Feature）は、アメリカのアカデミー賞で、毎年優れた長編アニメーション映画に授与される名誉ある賞です。この部門は2001年に設立され、以来、世界中のアニメファンやクリエイターから注目を集めています。

ノミネート条件

この賞の受賞やノミネートには、いくつかの条件が設けられています。具体的には、以下の3つの条件を満たさなければなりません。

1. 上映時間が最低40分以上であること（第82回以前は70分以上）。
2. 主要キャラクターがアニメーションで描かれていること。
3. 上映時間の75%以上をアニメーションが占めること。

これにより、実写パートが多く含まれる作品は、たとえ評価が高くてもノミネートされないことがあります。例として、アニメと実写が混在する『LEGO ムービー』が挙げられます。

選考プロセス

2013年度からのルール改定により、ノミネートされる作品には受賞対象者を最大2名指定することが求められ、必ず1名はプロデューサーでなければなりません。これに加え、共同監督がいる場合はプロデューサーが3人目の候補として選ばれます。

2017年のルール改正では、長編アニメ作品のノミネートも作品賞と同様に、すべてのアカデミー会員が投票できるようになりました。それまでは、短編映画および長編アニメ部門に所属する会員が主にノミネートを決定していました。

日本からの出品

日本においては、2018年に『未来のミライ』がノミネートされるまで、アカデミー長編アニメ賞に到達した作品はスタジオジブリの作品が中心でした。アニメ作品がこの賞にノミネートされるためには、アメリカでの劇場上映が必要です。このため、映画が興行的に成功する前にエントリーされることが多く、これが問題視されています（例：『パプリカ』や『スカイ・クロラ』など）。

2017年まではショートリストが作成されていましたが、2018年以降は応募要件を満たした作品を公表し、そこからノミネート作品を選出する方法に変更されています。

記録と受賞者

この部門では、数々のスタジオやクリエイターが受賞を果たしてきました。特に、スタジオジブリの『千と千尋の神隠し』は、手描きアニメーションとして非英語で唯一の受賞作となっています。また、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオやピクサー・アニメーション・スタジオは、複数回受賞やノミネートを果たしており、アニメーション界における重要な制作スタジオとされています。

その他の重要な点

このカテゴリには、大人向けアニメーションも11作品がノミネートされています。特に『ベルヴィル・ランデブー』や『ペルセポリス』といった作品は、特に注目されています。さらに、女性やアフリカ系アメリカ人の受賞者も登場し、アニメーション界における多様性と進展が見られます。

アカデミー長編アニメ賞は、アニメーション作品のクオリティを高めるだけでなく、アニメーションが持つストーリーテリングの力を認める重要な役割を担っています。

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