アキュムレータ (機械)

アキュムレータについて

アキュムレータとは、油圧や空圧のシステムで使用される装置であり、流体の圧力を利用してエネルギーを蓄えることができる機器です。この装置は「液／ガス」タイプが一般的で、内部に圧縮されたガス（例えば窒素）を封入しています。ポンプから供給される流体（油圧系の場合は作動油、空圧系の場合は空気や気体）を弁で封じ込めて一時的に蓄積し、必要に応じて解放します。この際、蓄圧気体の膨張力が流体を押し出す仕組みになっています。

構造と動作原理

アキュムレータの代表的な構造には、ブラダ形、ダイヤフラム型、ピストン型などがあります。それぞれの方式には異なる特性がありますが、いずれの方式でもガスの圧縮と膨張の作用が利用されます。

内部にはゴム膜などに封入された蓄圧ガスがあり、それが流体と共に圧力を保持します。アキュムレータが流体を放出する際、蓄圧気体が膨張して流体を瞬時に押し出し、エネルギーを供給します。このため、ポンプの停止時でも緊急時に圧力を維持することが可能です。

主な用途

アキュムレータはさまざまな用途で使用され、主には以下のような機能を持っています：

• - ポンプや圧力モーターのコンパクト化: 流体の蓄積能力により、機器のサイズを小さくし、省スペース化を図ることができます。
• - 緊急時のエネルギー供給: システム停止時でも圧力を供給して、迅速な作動を可能にします。
• - アクチュエータの補助: 高速動作を支援し、ポンプの吐出を補うことができます。
• - 圧力の補償: 配管が長い場合などに、圧力や流量の補償を行います。

特に油圧システムでは、アキュムレータを用いて省エネルギー化を実現するためのアイドリングストップ方式を導入することができ、ポンプの効率的な運用が可能になります。

安全管理と点検

アキュムレータは日本国内では高圧ガス保安法の対象となり、設計や製造、検査に関する規制が厳格に定められています。製造者は安全管理を十分に行う必要があります。アキュムレータの状態を確認することは重要ですが、外観だけでは確認が難しく、ガスの漏れや膜の破れといった状態をチェックするための特別な点検が必要です。

また、配管に残圧がかかることもあり、工事の際は流体側の圧力を抜く作業が欠かせません。そのため、流体タンクは適切な容積を持つことが求められます。

注意点

アキュムレータは高圧ガスを使用する装置であるため、適用される法令を遵守する必要があります。日本では高圧ガス保安法、労働安全衛生法が適用されます。国によっては異なる規制が存在し、例えばEUでは圧力容器指令や簡易圧力容器指令が適用されることがあります。

アキュムレータを適切に運用するためには、ガスの充填や膜の状態を定期的に確認し、法令を遵守した安全な運用を行うことが重要です。また、必要な設備や容積はコストとエネルギー削減効果を天秤にかけて選定することが求められます。

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