アキレス (小惑星)

小惑星アキレスについて

小惑星アキレス（588 Achilles）は、太陽系の小惑星帯に位置する天体の一つで、トロヤ群に分類されます。1906年にドイツの天文学者マックス・ヴォルフによってハイデルベルク天文台で発見され、トロヤ群で最初に発見された小惑星として知られています。

発見と命名

アキレスは、マックス・ヴォルフが撮影した写真乾板から発見されました。発見後、この小惑星はギリシア神話に登場する英雄アキレウスにちなんで名づけられました。アキレウスは、トロイア戦争で活躍した勇猛な戦士として知られています。

トロヤ群とは

トロヤ群とは、木星の軌道上で太陽との重力的な安定点であるラグランジュ点（L4およびL5）付近に集まっている小惑星のグループのことです。L4点には木星の公転軌道より約60度前方に位置し、L5点には約60度後方に位置します。これらのラグランジュ点では、木星と太陽の重力が均衡し、小惑星が安定した軌道を描くことができます。アキレスは、L4点に位置するトロヤ群の小惑星であり、木星の軌道上前方を安定的に運動しています。

トロヤ群の命名規則

トロヤ群の小惑星が発見されると、その軌道位置に応じて命名規則が確立されました。L4点に位置する小惑星はギリシア側の人物にちなんで命名され、L5点に位置する小惑星はトロイ側の人物にちなんで命名されるようになりました。この命名規則は、ギリシア神話のトロイア戦争をモデルにしています。しかし、アキレスのように、この命名規則が確立される前に命名された小惑星は、この規則に従っていません。

命名規則の例外

アキレスは、命名規則ができる前に命名されたため、L4点に位置していますが、ギリシア側の英雄の名前が付けられています。同様に、(617) パトロクロスや (624) ヘクトルなどの小惑星も、命名規則の例外として知られています。これらの小惑星は、命名規則に従っていないことから、‘スパイ’扱いされることもあります。

補足

アキレスは、トロヤ群の小惑星として重要な存在であり、太陽系や小惑星の起源を研究する上で重要な手がかりとなっています。

参考資料

小惑星の一覧 (1-1000)
588 Achilles JPL Small-Body Database Browser

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