アクセル・メルクス

アクセル・メルクスは、1972年8月8日、ベルギーのイクルで生まれました。父は「史上最強」と称される伝説的なロードレース選手エディ・メルクスです。1993年にプロデビューし、モトローラなどのチームを渡り歩きながら、アシストとしてのキャリアを築きました。

190cmを超える恵まれた体格を生かした献身的な走りが特徴で、多くのエースを支え、チームの勝利に貢献しました。1998年にはツール・ド・フランスで総合10位、クラシカ・サンセバスティアンで2位に入るなど、アシストとしてだけでなく、個人としても高い実力を持っていました。

2000年にはベルギー選手権ロードレースで優勝し、ジロ・デ・イタリア第8ステージでも勝利を飾るなど、印象的な勝利も挙げました。また、2004年のアテネオリンピックでは、ロードレースで銅メダルを獲得し、父のエディが成し遂げられなかったオリンピックでの表彰台を実現しました。

2007年、家族との時間を大切にしたいという理由から、ツール・ド・フランスを最後に引退を表明。同年のツール・ド・フランスでは総合62位で完走し、プロ選手としてのキャリアに幕を下ろしました。ツール・ド・フランスには計8回出場し、そのうち6回を完走。レース中には、逃げを打ったり、エースを牽引する姿が頻繁に見られました。

引退後は、カナダで旅行会社を設立し、主に自転車ロードレース観戦ツアーを企画・運営しています。また、2009年からはランス・アームストロングが創設したU-23チーム「TREK-Livestrong U-23」の監督に就任し、若手選手の育成にも力を注ぎました。

2013年、フランス上院のドーピング調査委員会が、1998年のツール・ド・フランスで採取された血液サンプルの調査結果を公表。その際、アクセル・メルクスを含む12名がドーピングの疑いがあるとして名前が挙げられました。しかし、この疑惑に関する具体的な証拠は示されず、公式な処分などは下されていません。

選手としては、最後の最後で勝利を逃す場面が目立ちました。例えば、逃げを打っても残り数キロで集団に吸収されたり、ゴール前のスプリント勝負で敗れることが度々ありました。2007年のツール・ド・フランスでも第18ステージでサンディ・カザールのアタックに追随できず、2位に終わっています。

アクセル・メルクスは、選手として多くの勝利を挙げたわけではありませんが、常にチームのために献身的に走り、その存在感は多くのファンの記憶に残っています。引退後も、自転車競技界に貢献し続ける彼の活動は注目されています。

主な戦績

2000年：ベルギー選手権ロードレース優勝
2004年：アテネオリンピック ロードレース銅メダル
ジロ・デ・イタリア 第8ステージ勝利

外部リンク

アクセル・メルクスWEBサイト（英語）
アクセル・メルクス - サイクリングアーカイヴス（英語）
アクセル・メルクス - Olympedia（英語）

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