アグロノミア

アグロノミーア地区の概要

アグロノミーア（Agronomía）は、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスにある特別区の中心部に位置するバリオです。この地区はコムーナ15に属し、現在の人口はおよそ13,963人です。毎年、アグロノミーアの地区の日として9月25日が祝われ、地域の文化や歴史を振り返る機会となっています。

地区名の由来は、ブエノスアイレス大学の農学部にあります。この農学部は、アグロノミーア地区の発展に大きく寄与してきました。アグロノミーアは、サン・マルティン通り、カンパーナ通り、サルバドール・マリア・デル・カリル通り、コンスティトゥジェンテス通り、チョロアリン通りに囲まれ、他の地区と隔てられています。かつてはパルケ・チャス地区がアグロノミーアの一部でしたが、2005年12月には分割されました。

歴史

アグロノミーア地域の歴史は、イエズス会がこの土地を管理していた時代にさかのぼります。当初は「イエズス会農場」と呼ばれていましたが、1769年にイエズス会が追放され、その土地は政府に没収されました。没収された土地は後に王立サン・カルロス学校に与えられ、その後、国立ブエノスアイレス学校へと発展していきました。

19世紀末には周辺に公園が整備され、1901年に政府は185ヘクタールの土地を公園建設のために提供しましたが、その一部は農業局やモデル農場、農業学校に使用されました。この農業学校の設立は、当時の政府が採用していた輸出主導型開発モデルの実施に必要とされていたためです。

地区は、公園の整備を受けて形成され、さまざまな名前を持ちながら「アグロノミーア」という名称に落ち着きました。また、農業試験所も幾度か名称変更が行われ、最終的には農学・獣医学高等機関として位置づけられました。1904年9月25日には、農業研究機関が設立され、その後5年を経て、ブエノスアイレス大学の農学・獣医学部として発展しました。1984年には、これらの学部が農学部と獣医学部に分かれ、現在に至っています。

建築物

アグロノミーア地区には、ブエノスアイレス大学の農学部と獣医学部の2つの主要な学部が存在します。農学部内にはアルゼンチン国立気象庁の一部としてビジャ・オルトゥサル気象局があり、学生や研究者に重要な役割を果たしています。獣医学部には、解剖学の博物館と外科病理学の博物館の2つの博物館が併設されており、これらは学問的なリソースとして活用されています。また、農学部には、農業機械の博物館があり、16ヘクタールの農地で「田舎から都市へ」という教育目的のプロジェクトが進行中です。

さらに、この地区には著名な作家フリオ・コルタサルがかつて住んでいたアパートがあり、その名を冠した通りも存在します。アグロノミーアは、歴史的な背景や学問の中心地としてだけでなく、文化的な資産も抱えた魅力的な地区です。

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