アサイラム (キッスのアルバム)

『アサイラム』は、アメリカのハードロックバンド、キッスが1985年9月16日にリリースした13枚目のスタジオアルバムです。前作『アニマライズ』（1984年）のグラム・メタル・サウンドをさらに推し進めた作品として知られています。

このアルバムは、リード・ギタリストであるブルース・キューリックが正式なバンド・メンバーとして参加した初めてのアルバムという点でも特筆されます。キューリックは、『アニマライズ』のレコーディング中に、当時のギタリスト、マーク・セント・ジョンが反応性関節炎のために休養を余儀なくされた際、一部の楽曲で代役を務めました。その後、『アニマライズ』のツアーのほとんどの期間でセント・ジョンの代わりを務め、その高い演奏力でバンドに貢献しました。ポール・スタンレー、ジーン・シモンズ、エリック・カー、そしてブルース・キューリックという新しいラインナップは、1991年11月にエリック・カーが亡くなるまで続き、キューリックは1996年にオリジナル・ラインナップが再結成されるまでバンドに在籍しました。

アルバムのジャケットは、1978年にリリースされたメンバーそれぞれのソロ・アルバムの色を反映し、4人のバンド・メンバーの唇に色をつけたデザインが特徴的です。裏ジャケットのアートワークも同様に、白地をベースにカラフルな色使いでKissの文字が描かれています。1997年にリリースされたリマスターCDのカバーアートは、オリジナル・リリースのものから若干変更され、より大胆な色使いとなっています。

「ティアーズ・アー・フォーリン」は、アルバムからシングルカットされた唯一の楽曲であり、バンドにとって大きなヒット曲となりました。特にミュージック・ビデオはMTVで頻繁に放映され、人気を博しました。このアルバムからは、「フー・ウォンツ・トゥ・ビー・ロンリー」、「アー! オール・ナイト」、「ティアーズ・アー・フォーリン」の3曲のミュージック・ビデオが制作され、いずれもイギリスのロンドンで撮影されました。

『アサイラム』は、1985年11月にRIAA（アメリカレコード協会）からゴールド認定を受け、商業的な成功を収めました。

収録曲

King of the Mountain
Any Way You Slice It
Who Wants to Be Lonely
Trial By Fire
I'm Alive
Love's a Deadly Weapon
Tears Are Falling
Secretly Cruel
Radar for Love
Uh! All Night

演奏者

Paul Stanley – lead vocals, rhythm guitar; bass on "Tears Are Falling"
Gene Simmons – lead vocals, bass
Eric Carr – drums, percussion, backing vocals
Bruce Kulick – lead guitar, backing vocals
* Jean Beauvoir – bass and backing vocals on "Who Wants to Be Lonely" and "Uh! All Night"

もう一度検索