アシェット・リーブル

アシェット・リーブル：フランス発、世界有数の出版社グループ

アシェット・リーブル（Hachette Livre）は、フランスを拠点とする世界的な出版社グループです。2019年時点で、一般書籍部門において世界第3位の売上規模を誇る巨大企業へと成長しました。その歴史は古く、19世紀初頭にまで遡ります。

黎明期：書店から出版社へ

アシェット・リーブルの起源は、1826年にルイ・アシェットがパリの書店「ブレディフ」を買収し、「Librairie L. Hachette」として開業したことに始まります。当初は書店としてスタートしましたが、1846年には「L. Hachette et Compagnie」を設立し、出版社としての活動も開始しました。この頃から、アシェットは出版業界での地位を確立し始めました。

成長と拡大：数々の出版社を傘下に

20世紀に入ると、アシェットは積極的な買収戦略を展開し、数多くの出版社を傘下に収めていきます。1914年には、ジュール・ヴェルヌ作品の出版社として知られるHetzelを買収。1950年代には、Le Livre de Poche（ポケットブック）を創刊し、出版業界に新たなトレンドを生み出しました。1970年代には、Hachette SAへと社名変更し、出版以外の事業にも進出しましたが、その後、出版事業はHachette Livreが継承することになりました。

1980年代以降も、JC Lattès、スペインのSalvat、Calmann-Lévyなど、国内外の有力出版社を次々とグループ化し、その規模を拡大させていきました。

グローバル展開：世界規模の出版グループへ

アシェット・リーブルは、1990年代以降、グローバル展開を加速させました。イギリスのOrion GroupやCassell、イタリアのRusconiなど、ヨーロッパ各国の出版社を傘下に収め、出版事業の国際化を推進しました。2000年代に入ると、アメリカのタイム・ワーナー・ブック・グループを買収し、北米市場への進出も果たしました。近年では、デジタル化の進展に伴い、モバイルゲーム開発スタジオの買収など、新たな分野への投資も行っています。

現在：多様な分野を網羅する出版グループ

現在のアシェット・リーブルは、文学、ノンフィクション、児童書、教育、コミック、ボードゲームなど、多様なジャンルの書籍を出版しています。フランスを中心に、イギリス、アメリカ、スペイン、オーストラリアなど、世界各国に拠点を持ち、それぞれの地域で独自の出版活動を展開しています。

主要なグループ会社

アシェット・リーブルは、傘下に多数の出版社や関連会社を抱えています。以下に主なグループ会社をいくつかご紹介します。

フランスの出版社：LES ÉDITIONS HATIER、ÉDITIONS LAROUSSE、LIBRAIRIE GÉNÉRALE FRANÇAISE（Le Livre de Poche）、PIKA ÉDITION、SOCIÉTÉ DES ÉDITIONS GRASSET ET FASQUELLE、LIBRAIRIE ARTHÈME FAYARD、ÉDITIONS STOCK、ÉDITIONS JEAN-CLAUDE LATTÈSなど。
イギリスの出版社：HACHETTE UK LTD、HODDER & STOUGHTON LTD、HEADLINE BOOK PUBLISHING LTD、QUERCUS EDITIONS LTD、ORION PUBLISHING GROUP LTD、OCTOPUS PUBLISHING GROUP LTD、SUMMERSDALE PUBLISHERS LTD、LAURENCE KING PUBLISHING LTD、Little, Brown Book Groupなど。
* その他の地域：HACHETTE AUSTRALIA PTY LTD（オーストラリア）、HACHETTE LIVRE ESPANA（スペイン）、Hachette Book Group, Inc.（アメリカ）、アシェット・コレクションズ・ジャパンなど。

まとめ

アシェット・リーブルは、1826年の創業から200年近くにわたり、出版業界をリードしてきた老舗出版社です。積極的な買収戦略とグローバル展開により、世界有数の出版グループへと成長を遂げました。現在も、伝統を守りながらも、新しい分野への挑戦を続けるアシェット・リーブルの今後の展開に注目です。

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