アジア太平洋キックボクシング連盟

アジア太平洋キックボクシング連盟（APKF）

概要

アジア太平洋キックボクシング連盟、略称APKFは、日本におけるキックボクシングの振興を目的として設立された団体の一つです。1980年代に産声を上げ、長らく国内キックボクシング界の一角を担ってきました。国際的な名称を冠していますが、その活動の中心は日本国内にありました。黎明期から発展期にかけて、多くの選手がこのリングを経験し、キックボクシングの普及に貢献しました。現在は活動を停止していますが、その歴史は日本のキックボクシング史において重要な一章を形成しています。

設立と変遷

この連盟の創設は1983年11月に遡ります。設立者である南樹三生氏は、自身が主宰する「みなみジム」を母体として、新たなキックボクシングの組織を立ち上げました。APKF設立以前、その活動は「アジア・モエジップン連盟」という名称で行われていました。これは、団体の起源がより広範なアジア地域を視野に入れたものであったことを示唆しています。その後、アジア太平洋地域全体をカバーする現在の名称へと改称し、国内のキックボクシング団体としての地位を確立していきました。南氏のリーダーシップの下、APKFは独自のルールやランキングシステムを持ち、数々の興行を開催しました。

他団体との関係

APKFは、日本のキックボクシング界において他の主要団体との連携を模索した時期もありました。特に注目されるのは、日本のキックボクシング界を代表する組織の一つである日本キックボクシング連盟との関係です。2001年1月29日には、APKFは日本キックボクシング連盟への加盟を果たしています。これは、国内キックボクシング界における勢力図の変化や、団体間の交流・協力を促進する動きの一環であったと考えられます。しかし、この提携関係は長くは続きませんでした。加盟から約10年後の2011年には、APKFは日本キックボクシング連盟から離脱しています。この離脱の具体的な背景や理由については公にされていませんが、各団体の運営方針や目指す方向性の違いなどが影響した可能性が考えられます。団体間の連携や離脱は、当時の日本のキックボクシング界の複雑な様相を映し出しています。

現状と将来

2022年現在、アジア太平洋キックボクシング連盟はその活動を休止している状態です。かつて活発な興行を行い、多くの選手を輩出した団体ですが、現在は新たな大会の開催や選手の育成といった活動は行われていません。団体の母体であったみなみジムも、その機能は後継ジムである「エムトーンジム」に引き継がれています。そして、このエムトーンジムは、現在ジャパン・キックボクシング・イノベーションという別の団体に加盟しています。これは、APKFがかつてのように特定のジムや組織を中心に活動を再開することが、現状では難しい状況にあることを示唆しています。活動休止が一時的なものなのか、あるいは事実上の解散に近い状態なのかは明確ではありませんが、少なくとも当面はAPKFの名称での公式な活動は見られない状況です。

主な歴代参加選手

APKFのリングには、日本のキックボクシング史に名を残す選手たちが数多く参戦しました。彼らの熱戦が、団体の歴史を彩り、ファンを魅了しました。主な歴代出場選手としては、以下の方々の名前が挙げられます。

栄基
シーザー武志
中川二郎
TURBΦ
中野智則
戦え!ひでりん

これらの選手たちは、APKFだけでなく、日本のキックボクシング界全体の発展に貢献した存在です。彼らがAPKFで見せたパフォーマンスは、団体の記憶として語り継がれています。

活動休止中のAPKFですが、かつて日本のキックボクシング界で果たした役割や、輩出した選手たちの功績は、今日のキックボクシングの隆盛に繋がる重要な要素の一つと言えるでしょう。今後の動向については不透明ですが、その歴史的な意義は変わりません。

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