アストロウイルス科

アストロウイルス科（Astroviridae）は、一本鎖プラスRNAをゲノムとするウイルスの一群です。ビリオンは直径約30nmの球形粒子で、エンベロープを持たないのが特徴です。アストロウイルス科は、主に哺乳類（Mamastrovirus）と鳥類（Avastrovirus）に感染するウイルスで構成されています。

分類

アストロウイルス科は、主に以下の2つの属に分類されます。

Mamastrovirus属: 哺乳類に感染するアストロウイルスが含まれます。
ウシアストロウイルス（Bovine astrovirus）
ヒトアストロウイルス（Human astrovirus）
Avastrovirus属: 鳥類に感染するアストロウイルスが含まれます。
七面鳥アストロウイルス（Turkey astrovirus）
アヒルアストロウイルス（Duck astrovirus）

特徴

アストロウイルスは、一般的に下痢や胃腸炎などの消化器系の疾患を引き起こすことが知られています。特に小児や高齢者、免疫不全者において、感染のリスクが高いとされています。感染経路は、主に糞口感染であり、汚染された食品や水を介して感染が広がることがあります。

診断と治療

アストロウイルス感染症の診断は、糞便サンプル中のウイルスRNAを検出するRT-PCR法が用いられることが一般的です。特異的な治療法はなく、対症療法が中心となります。脱水症状を防ぐための水分補給や、電解質のバランスを整えることが重要です。

予防

アストロウイルス感染症の予防には、手洗いの徹底や食品の衛生管理が重要です。特に調理前や食事前、トイレ後には、石鹸と流水で十分に手を洗うことが推奨されます。また、食品は十分に加熱し、清潔な水を使用することが大切です。

参考文献

大里外誉郎　『医科ウイルス学 改訂第2版』　南江堂　2000年　ISBN 4524214488
原澤亮　「動物ウイルスの新しい分類（2005）」　『獣医畜産新報』　58号　921-931頁　2005年

関連項目

* RNAウイルス

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